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日本アイ・ビー・エム株式会社提供コンテンツ

2013年04月17日

エンタープライズソーシャルの流れが本格化、企業に取り込むメリットを改めて考える

ソーシャルネットワークのテクノロジーは、企業のITにもさまざまな影響を与えている。特に「エンタープライズソーシャル」と呼ばれるトレンドは、企業内のコミュニケーションや情報流通を変え、ビジネスのスタイルも劇的に変える可能性を秘めている。とはいえ、まだまだこうしたソーシャルを活用するメリットを十分理解できていない人も多いのではないだろうか。なぜ今、企業ITにソーシャルなのか。この具体的な効果について探った。

避けては通れないコンシューマライゼーションの波

 ここ数年、コンシューマ市場のIT環境は劇的に変化した。ブロードバンドの無線通信網の発達とスマートデバイスの爆発的な普及により、場所・時間を問わずインターネットを利用できるようになった。その結果、人々がリアルタイムで情報を発信し、受け取る、ソーシャルネットワークが、新しいコミュニケーションの姿として定着した。

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日本アイ・ビー・エム
ソフトウェア事業
Collaboration Solutions事業部
第一テクニカルセールス 部長
松浦 光 氏

 この急激な変化に比べると、企業ITの変化はやや緩慢だ。その結果、コンシューマ市場で生まれたテクノロジーが企業ITに影響を与えるコンシューマライゼーションの流れが加速することになった。日本アイ・ビー・エムの松浦光 氏はこうした変化を次のように分析する。

「今後、企業にインパクトを与えるテクノロジーとして、ソーシャル、モバイル、アナリティクス、クラウドなどが挙げられると思います。こうしたテクノロジーを取り込まなければ、企業は競争に遅れをとることになるでしょう。最近は斬新なアイデアと高い機動力を持つ小さな企業が、大きい企業を飲み込む例も珍しくありません。その意味でも、企業はコンシューマライゼーションの波を避けて通ることはできません。使うかどうかを議論する時期は過ぎ、どう活用するかが課題となっています。」(松浦氏)

 たとえば、「エンタープライズソーシャル」という言葉がある。これは、企業内にソーシャルネットワークの仕組みを導入し、コミュニケーションやナレッジ共有を活性化させることを指した言葉だ。

 このように、企業にとっては、コンシューマ市場のテクノロジー、トレンドをいかに取り入れるかが、自らの命運を左右する重要なテーマとなっているのである。しかし、この波にうまく乗り、積極的に活用できている企業はまだ少ない。

企業ITにソーシャルテクノロジーを取り込む意義とは

 たとえば、東日本大震災以降、BCPやライフスタイルの多様化の観点から在宅勤務のニーズが広がった。しかし、実現できている企業は少ない。モバイルやクラウドのテクノロジーを活用すれば、技術的には比較的容易に実現できるにもかかわらず、だ。

 ソーシャルの活用も同様だ。すでに社内SNSを実現する製品もかなり揃っているが、導入している企業は限られる。理由のひとつは、具体的な活用イメージが湧かないことだろう。FacebookやTwitterのイメージが強いためか、「そもそも、社内SNSは仕事で使えるのか?」と疑問を感じている方も少なくないだろう。こうした疑問に対し、松浦氏は次のように答える。

「社内SNSを導入したからといって、そこで社員のランチの写真が流通するわけではありません。重要なことは、企業システムにソーシャルテクノロジーを取り入れることで、非常に多くの情報を容易に手に入れられるようになることです。今までは、情報ソースが同僚や部下、お客さまだったのが、同僚の同僚、上司の同僚、自分と接点がなかった営業がモバイル端末から入力したお客さまの生の声、アナリティクスエンジンからオススメされる情報……と広がります。その結果、ビジネスにおける意思決定の幅が広がり、スピードが速くなるのです。」(松浦氏)

エンタープライズソーシャルの具体的な効果

 日本IBMは、先ごろソーシャル機能を強化したNotes/Dominoの最新バージョン「IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition」をリリースしたばかりだ。同社内では、この最新のNotes/Dominoが活用され、ソーシャル機能が大いに効果を上げているという。

「私は、日本のテクニカルセールスのマネージャという立場で仕事をしていますが、同じ役職の人間は北米やヨーロッパ、アフリカにもいます。ただし、レポートラインは縦になりますので、これまで横方向のつながりはほとんどありませんでした。ところが、ソーシャル機能を活用するようになってから、彼らとのつながりができ、同じ仕事を他地域でする同士の情報交換ができるようになりました。お互いの仕事の様子がわかるので、非常に参考になるのです。日本企業の場合でも、たとえば各地域の営業所の方々が日々の情報をシェアできますので、お客さまのためになったり、業務改善につながったりする“気づき”を吸い上げる仕組みとして、大いに可能性があると思います。」(松浦氏)

 また、ある大手英会話教室では、ソーシャル機能が教材の開発に大いに役立ったという。

「その企業は多言語展開され、海外でも教室を運営されているのですが、ブラジルとフィリピンでは外国語として日本語がたいへん人気があるそうです。ただ、これまでは各地域の交流が少なかったため、教材のアップデートがなかなか行われませんでした。ところが、ソーシャル機能を活用することでブラジルとフィリピンがつながり、情報が共有された結果、日本語教材のアップデートが容易になり、かつ以前よりクオリティの高い教材が提供できるようになったのです。」(松浦氏)

現状維持では競争から取り残されるだけ

 従来、ビジネスパーソンは、組織のストラクチャにしたがって、自分に与えられた業務をこなすことが求められていた。しかし、ビジネス環境の変化により、それだけでは競争に取り残されてしまうと、松浦氏は指摘する。

「現場の課題をいちばん知っている現場のマネージャや担当者が、自らの判断で課題を解決したり改善したりしていかないと、競争に取り残されてしまいます。それには、ソーシャルテクノロジーを活用し、多くの人々と接点を持ち、意思決定の幅を広げ、そのスピードを上げることが不可欠なのです。」(松浦氏)

 こうして見てくると、エンタープライズソーシャルの流れは、もはや止められないと言えるだろう。ソーシャルテクノロジーの導入に躊躇する企業に対し、松浦氏は次のように警鐘を鳴らす。

「今こそ、変化への対応力が求められていると思います。コンシューマライゼーションという大きな変化に対応できなければ、企業は競争から取り残されてしまうでしょう。時折、『ウチは現状維持でいいですよ』という声も聞きますが、環境の変化が急ですので、現状維持だと急速に時代に遅れをとることになりかねません。」(松浦氏)

 日本IBMは、5月30日に東京、6月7日に大阪、7月5日に名古屋にて「IBM Connect Japan 2013」というイベントを「Get Social. Do Business. − ソーシャルの力をビジネスの価値へ −」というテーマで開催する。そこでは、ソーシャルテクノロジーをビジネスに活用するさまざまな製品、ソリューション、事例が多彩なセッションやデモ、展示で紹介される予定だ。前述したNotes/Dominoの最新バージョンはもちろん、ソーシャルをマーケティングの強化や人材の活性化に生かしたい経営層や業務担当の責任者に向けたセッションも用意される。本記事をご覧になって、少しでも「現状維持ではまずい」と感じられたら、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

(執筆:井上健語 聞き手・構成:編集部 松尾)

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