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  • 2014/08/02 掲載

【インガーソル・ランド事例】成果に基づく『製造業のサービス化』を実現

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産業向けのツール類を製造、販売するグローバル企業のインガーソル・ランド。1,200億ドルの売上規模がある同社だが、売上の30%をサービス事業が占め、その利益は増加傾向にあるという。サービスの提供を通じてユーザーニーズの変化をいち早く把握し、競合の追随を許さない同社。変革の過程を、インガーソル・ランド 北米営業・サービス担当 バイス プレジデント&ゼネラル マネージャのジョセフ・M・バーグマン氏が語る。

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インガーソル・ランド
北米営業・サービス担当
バイス プレジデント&ゼネラル マネージャ
ジョセフ・M・バーグマン氏
 製造業のサービス化をテーマに海外お客様事例講演を行ったのは、インガーソル・ランド 北米営業・サービス担当 バイス プレジデント&ゼネラル マネージャのジョセフ・M・バーグマン氏だ。インガーソル・ランドはそのミッションに「快適かつ持続可能で効率的な環境を創造することで生活の質の向上に寄与する」を掲げるグローバル企業で、産業向けのツール類を製造、販売する。バーグマン氏が担当する「トレイン」ブランドは圧縮空気に関するツール類を製造しており、それを用いて家庭やビルなどの空気の質や快適さ向上を提供している。

 インガーソル・ランドの売り上げ規模はおよそ1,200億ドル。「売上の20%程度を先進的なサービス契約が稼ぎ出しており、サービス パーツ売上関連も含めれば、サービス事業全体の売上は全売上高の30%くらいになります」とバーグマン氏。同社での利益に占めるサービス事業の割合は増加傾向にある。すべての製品でサービスを提供できないこともある。そうなるとそこには他社が入り込んでくる。適切なサービスを提供できないと情報が入らず、エンドユーザーが望む製品改良も行えない。「サービスを自社で提供することで製品の品質も上げられます」と言う。

 ビジネス環境には内外さまざまな要因がある。「外的要因で景気が悪くなり販売が落ち込んでも、サービスのビジネスはフラットで全体の落ち込みを抑える効果があります」と、サービス事業を広げることにはメリットがあるとバーグマン氏。

 また、昨今は製品ライフサイクルが速くなっており、ユーザーのニーズをタイムリーにキャッチアップできないとビジネスチャンスを逃す危険もある。この解決にもサービスは重要だと言う。たとえば、ある建物は建築当初は別用途で使っていたが、しばらくしてオフィスビルに変わった。本来なら、変化に合わせ空調を強化する必要があった。サービスを通してお客様と継続的に関わっていないとこういった変化には気付けない。故障などの際にだけ対応するのではなく「サービスの変革が必要です」とバーグマン氏は言う。

 サービスの変革をする際に、メーカーは製品を作るKPIは持っているがサービスを評価するKPIを新たに設定するのが難しいという課題もあった。「お客様に対するサービス レベルが、サービス ビジネスの1つのKPIになります」とバーグマン氏。さらには、ブランドごとに異なるビジネスを行っている企業そのもののカルチャーもサービスを中心としたものになっていないなど多くの課題があった。

「製品ではなくサービスとして提供するには、間に入るディストリビューターからも、エンドユーザーからも情報を収集できるようにする必要がありました」(バーグマン氏)

 これら課題を乗り越え、トレインでは「建物の中の快適な温度」をサービスとして提供している。これは空調機器に便利なリモコンが付いているといった付加価値ではない。お客様に「快適な環境を提供する」のだ。一方で、製品を自分たちが保有し自らコントロールしたいと考えるお客様もいる。サービスとしての快適環境の提供とより良い製品の提供、2つを同時並行でやらなければならないことも新たな課題だった。

 サービスの変革では、人材採用や教育も注力している。新たな変化の状況下ではテクニカル サポートのナレッジの蓄積は重要。それを利用し必要な人材を育てていくことになる。これはなかなか苦労するところだとバーグマン氏は言う。

 この新たなサービス事業の展開で、インガーソル・ランドはPTCの製品を活用している。サービスのプランニングは製品開発のプランニングとは異なる。さらにサービス事業ではモバイル対応もさまざまなシーンで必要になる。これら新たなニーズに対応していたのがPTCの製品だった。

 トレインのサービスではメンテナンス用パーツを売るだけでなく、周辺にあるビジネスがかなり大きな部分を占める。それは結果的にさまざまな部門にも影響を与える。従って、「SLMとPLM(製品ライフサイクル管理)がそれぞれ個別に導入されていても意味がありません。それらが連携していないとダメなのです」とバーグマン氏は言う。

 サービス事業はさらに進化しており、「コネクティッド」の方向に進んでいるともバーグマン氏は言う。ネットワークにつながることで、製品の信頼性が増す。そのことがどんどん重要性を増しているのだ。

「製品で競合するところはありますが、サービス事業では競合はありません。お客様からの高い評価の半分はサービスから来ています。サービスの話をお客様とすることで、ビジネスを勝ちとれるチャンスが広がっています」(バーグマン氏)

 インガーソル・ランドでは、成果に基づいたサービスの提供を積極的に行う。今はそれをできるだけ初期投資を抑え実施することにチャレンジしている。「今後は特にサービスを重視します。それによりお客様と密に連携し、企業としてのメッセージをお客様に届けるようにしていきます」とバーグマン氏は言う。

経歴:
北米における売上高5億ドルのCompressed Air Systems & Services(CASS)の営業およびサービス事業を統括。現役職以前はグローバル アフターサービス事業を率い、トレインやサーモキング等のブランドの組織を統合。幅広い販売チャネルやブランド全体で総合的なライフサイクル管理戦略やビジネスモデルを導入し、マーケット平均の3倍もの成長率を達成。同時にサプライチェーンの変革を行い、安全に関わる事案、コスト、不具合を1/3に低減しサービス レベルや対応能力を大幅に改善。


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