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2014年10月01日

日本光電が取り組むソフトウェア品質向上、ヒューマンエラーを未然に防ぐ仕組みとは?

最近、駅や空港などの公共施設でAED(自動体外式除細動器:Automated External Defibrillator)を見かけることが増えた。万が一急病人が発生した際、その場に居合わせた人が応急処置として電気ショックを与えることができる装置だが、このAEDを製造している国内唯一のメーカーが日本光電工業(以下、日本光電)だ。国内トップシェアの医療機器を数多く開発している同社にとって、医療機器に組み込むソフトウェアの品質向上は、最優先で解決すべき課題のひとつである。開発チームが取り組んだのは、静的解析ツール導入による、対面でのコードレビューを補完する仕組みづくりだった。

高度化・複雑化する医療機器の開発における問題点

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日本光電工業
医療機器事業本部
第二技術部 三課 係長
岩渕 繁之氏

 日本光電は、1951年設立の医療機器メーカーである。国内では唯一のAEDメーカーであり、AEDおよび医療従事者向けの除細動器は、ともに国内トップシェアを誇る。さらに、検査用の脳波計、手術室等で使用される生体情報モニターも国内シェアトップであり、「エレクトロニクスで病魔に挑戦する」というビジョンを掲げる同社は、まさに日本の医療を支える代表的な企業といえよう。

 さまざまな医療機器を開発している同社だが、機器に組み込まれるソフトウェアは、医療機器の高度化・複雑化とともに、年々肥大化していた。医療機器事業本部 第二技術部 三課 係長 岩渕 繁之氏は、次のように説明する。

「医療機器に組み込まれるソフトウェアは、年々、規模が大きくなっています。たとえば、病院内で使用される生体情報モニターシステムでは、他の機器で計測したデータを集めて画面に表示したり、管理したりする必要があります。こうした機器は年々機能が増えており、プログラムのソースコードも、とても一人ではチェックできなくなっているのが実態なのです」(岩渕氏)

 日本光電では、製品の組み込みソフトウェアを開発するとき、品質を高めるために複数の開発者が対面でチェックするコードレビューを実施している。しかし、ソースコードの肥大化にともなって、人の目によるコードレビューだけでは、限界が見えはじめていた。

 除細動器は、心室頻拍や心室細動といった不整脈治療で用いられる。患者が命の危機に直面しているとき、プログラムのエラーによる重大なトラブルが起こることなど言語道断だ。

 プログラム開発におけるヒューマンエラーを減らし、気付きにくいバグのチェックをいかに効率的に発見するか。日本光電はこのような問題意識をもとに、品質向上にむけた新たな仕組みづくりに取り組んだ。

この記事の続き >>
・対面でのコードレビューを補完する仕組みづくりの重要性
・「製品がライフサイクルを終えた後に本当の成果が見えてくる」

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