日本の製造業に求められる「マイクロバーティカル」なIT戦略とは何か?
製造業特化の戦略「マイクロバーティカル」とは何か?
こうしたなか、日本の製造業に求められているITとはどのようなものなのか。「Business Innovation Day 2015」の基調講演に登壇した米国インフォア エグゼクティブ バイス プレジデントジョン・フレビン氏は、日本市場のビジネス戦略のポイントとして以下の3点を挙げた。
1点目は「マイクロバーティカル」と呼ばれる、きめ細かな業種特化戦略だ。一口に製造業といっても、機械や自動車、食品、飲料など、取扱製品によって業種、業態は異なる。マイクロバーティカルとは、それぞれの業種、業態に特化した業務アプリ、ERPなどの基幹システム、HCM(人材管理)やCRMなどのフロント系システムなどを統合していく考え方である。システムが垂直統合的に、シームレスに連携することで、業務効率化、コスト削減、競争力アップに寄与することができるという。
2点目は、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)をはじめとする産業分野でのインターネット活用だ。フレビン氏は「製造業では様々な分野でDisruption(創造的破壊)が起きている」とし、その背景の一つとしてIoTの台頭を挙げた。
「例えば、自動車には様々な制御を行うセンサーが60個以上搭載されているが、5年後には200個ほどに増加すると見られる。こうしたセンサーがネットワークに接続され、データ収集、分析などによって新たな価値、サービスの提供を可能にしていくだろう」(フレビン氏)
自動車でいえば、車の動き、スピード、どこに向かっているかといったデータを分析し、オイル交換のタイミングや不具合の察知による最適な修理タイミングの告知など、顧客満足度向上の施策展開が可能になっていく。また、建設機械では、タイヤの磨耗度から最適なパーツの交換、修理時期を告知することで、ダウンタイムを最小化し、機械の最適な性能を実現することが可能になる。
「産業分野でのインターネット活用にはソフトウェアが不可欠だ。ソフトウェアを活用することで、世界がスマートにつながり、ビジネスの効率化や利益の拡大に繋げていくことができる」(フレビン氏)
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