今は人工知能の第三次ブーム、その背景とは?
──今、人工知能(AI)が再び注目されています。その背景について、ご意見をお聞かせください。──一次、二次のブームについても教えていただけますか。
村上氏:第一次というのは、1956年のダートマス会議において、ジョン・マッカーシー(注1)が「人工知能(Artificial Intelligence)」という用語を提案したことをきっかけとするブームです。早い話が、コンピュータという計算機械に、なにがしかの知的作業をさせようという試みだったわけですが、その後は挫折の歴史であったわけです。とはいえ盛り上がったのは間違いなく、それが第一次ブームということになります。
第二次ブームのきっかけは、日本の通商産業省(当時)が80年代に主導した「第五世代コンピュータ」という国家プロジェクトです。このプロジェクトには私も参加しましたが、いわゆるエキスパートシステムの開発を目指したもので、専門家の知識を集積して、専門家の業務をコンピュータにやらせることを目指しました。膨大な知識・ルールを集積しましたので、「ルールベースシステム」とも「知識ベースシステム」とも呼ばれました。第五世代コンピュータプロジェクトの成果としては、1980年代に日本のワープロ専用機の性能が一気に向上したことは挙げられます。シャープや松下電器などの若い研究者も参加していましたので、その成果を持ち帰って製品に反映したのです。その意味では、自然言語処理という観点で、それなりの成果はあったと考えています。
※注1:ジョン・マッカーシー(John McCarthy 1927年9月4日~2011年10月24日)。アメリカ合衆国の計算機科学者で認知科学者。初期の人工知能研究の第一人者で「人工知能(Artificial Intelligence)という用語を提案した。
村上氏:グーグルのMapReduce論文が出たのが2004年です。多数のサーバーで巨大なデータを並列処理するための仕組みについて書かれた論文ですね。
武田氏:自然言語処理のアプリケーションを開発していた立場からすると、技術の使い方も上手いし、巨大なデータを扱ってサービスに昇華させているのが素晴らしいという感覚があり、とても勇気づけられました。当時は「マイニング」という言葉が一般的でしたが、膨大なデータから価値のあるものを取り出すという点で、とても参考になりました。
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