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2016年03月11日
 野口 智雄 早大教授に聞く 通販事業者と顧客による価値共創のマーケティングとは

モノが売れなくなった今の時代、企業は新規顧客開拓とともに、既存顧客との関係強化が求められている。こうした中でマーケティングのキーワードとなるのが、顧客との価値の共創だ。今の顧客が求めている価値とは。また、その動きをフォローし、業績拡大に結び付けていくために、企業が取り組むべきことは何か。小売・流通業のマーケティング戦略を研究する早稲田大学 社会科学総合学術院 野口 智雄教授と、通販事業者向けシステムを提供する日立システムズに話を聞いた。

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早稲田大学 社会科学総合学術院 教授
野口 智雄氏

現在の通販ビジネスにおける注目トレンド

――顧客接点の強化やオムニチャネル対応の重要性が叫ばれています。近年の小売・流通業界における注目すべきトレンドを教えてください。

野口氏:大きな流れとして、1つは流通のスピードアップ、2つめが顧客利便性の向上です。

 まずスピードアップを象徴する動きが、大手総合通販事業者の“即配”です。この背景には、注文したら一刻も早く商品を届けて欲しいという顧客のニーズがあります。

 2015年にはヨドバシカメラが通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」上で、注文を受けてから最短6時間で商品を届けるサービスを開始しました。またアマゾンは、以前から注文当日に商品を届けるサービスを展開してきましたが、昨今、米国でドローンを使って注文から30分で商品を届けるという実験を始めています。いずれも発注から配送完了までのリードタイムを短縮化するための動きです。

 2つめが、顧客利便性の向上です。顧客の購買行動はリアルとネットのどちらかに偏っているのではなく、実店舗とネット通販をうまく使い分けています。こうした動きに応えたのが、セブン&アイの通販サイト「オムニ7」です。顧客は、オムニ7で注文した商品を近所のセブン‐イレブン店舗で受け取ることができるという、リアルとネットを融合したサービスです。

ドクターシーラボ、オイシックスのLTV最大化事例

――特徴的なマーケティングを行っている通販事業者の事例を教えてください。

野口氏:スキンケア・化粧品専門の通販サイト「ドクターシーラボ」では、自社が運営するCGM(Consumer Generated Media:コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)を利用して、顧客から様々な意見をつかんで商品に反映し、さらに個々の顧客ニーズに合ったレコメンド機能を提供しています。顧客ニーズを起点としてCGMとレコメンド機能を活用することで、顧客親和性を高めている企業です。

 また有機/無添加食品の通販サイト「オイシックス」では、様々な野菜がセットになった「おためしセット」をリーズナブルな価格で会員に提供しています。こうしたパッケージ製品で様々な食材を体験してもらうことで、継続的に購買してもらうことを狙っています。

 両社とも、顧客とのエンゲージメントをきちんと構築していかにリピートしてもらうか、あるいは顧客のLTV(Life Time Value:ライフ・タイム・バリュー)を最大化するか、という視点でマーケティングに取り組んでいるのです。

通販事業者は、顧客とともに価値を“共創”せよ

――前述のように総合通販事業者の強さが目立っている中で、単一商品を扱う、いわゆる「専門店」の通販事業者は、どのようなアクションが求められているのでしょうか。

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