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2016年11月02日
2016年9月7日(水)名古屋開催 「Prowise Business Forum in NAGOYA第13回」セミナーレポート 後編 製造業の未来は「予測」でどう変わる?IoTとAIで実現する「スマートなものづくり」

ドイツが主導するインダストリー4.0をはじめとして、グローバルで製造業のIoT活用の取り組みが活発化している。IoTやAI技術が進化・普及し、センサーデータを取得、分析、活用できるようになった今、製造業は新たなビジネスメリットを享受できるようになってきたようだ。2016年9月7日に開催された日立ソリューションズ主催イベント「Prowise Business Forum in NAGOYA 第13回」では、IoTと機械学習によるダウンタイム発生やメンテナンスコスト低減を実現した建設機械メーカーの事例、IoTとデータ分析による自動化といった「スマートなものづくり」をめざす取り組みが紹介された。

製造業におけるIoT活用状況とは

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日立ソリューションズ
ビジネス・アプリケーション本部
ビッグデータ・ソリューション部
技師 矢田智揮 氏

 IoT技術の進展により、製造業は様々な設備からデータが取得可能になってきた。ただ、一口に製造業といっても、設計・開発、生産、販売、運用・保守と様々な工程がある。「2016年版ものづくり白書」によれば、IoTの取り組みを工程別で見たとき、製造業の企業規模に関わらず、運用・保守工程の取り組みはまだ手つかずの状態だという。

「逆に言えば、今後のIoT活用が最も見込まれる分野だ」と語るのは、日立ソリューションズ ビジネス・アプリケーション本部 ビッグデータ・ソリューション部 技師 矢田智揮 氏だ。 

「この分野にAIや機械学習を適用すると、機器の稼働状況に応じた寿命予測や不良が発生した製品の品質の要因分析などが可能になります。例えば、生産ラインで様々な製造条件やセンサーデータを大量に取得してAIや機械学習の技術を活用すると、歩留まりが低下した場合に何が影響したかを分析でき、品質改善に繋げる事ができます」(矢田氏)

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製造業におけるIoT活用動向



時代は事後保全、予防保全から、事前対応可能な予知保全へ

 予防保全、予知保全とは一体どういうものか。これまでは、保守といえば事後保全や予防保全だった。事後保全の場合、壊れてから手作業・人力で対処するため、修理が完了するまでのダウンタイムによる損失が大きい。

 予防保全というのは、時間を基準にした保全で、定期的に部品交換・修繕を行うものだ。この場合ダウンタイムは発生しにくいが、中には壊れていない部品もあるため、保全コストが高くなる。

 これらより優れているのが予知保全で、状況を基準にした保全が可能になる。センサーデータと機械学習を組み合わせることで、壊れる予兆を取得したデータから検知して故障を未然に防止したり、品質/性能要因分析を行ったりして品質改善できるのだ。

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予知保全の導入で設備保守の効率が向上


 生産計画通りに生産が進まない、納期遅れが発生してしまう、十分に故障予防できないといった課題に直面している場合は、故障予兆検知によって解決できる例が多い。また、不良品の発生原因を人手で調査するのにコストがかかっている、量産に向けた製造条件を確定するために試作や試験に時間がかかっているという場合は、品質/性能要因分析が効果的だという。

 これらの業務は従来、ベテラン技術者が勘と経験で対処していたが、近年そうした「伝承」がうまくいかなくなっている。こうした中で、データ活用による予知保全という考え方は、これを代替する形で製造業の間で徐々に浸透しつつあるという。

日立はコンサルからデータ分析、システム化まで幅広く対応

 実際に矢田氏が関わった案件の事例もある。例えば、世界中にショベルカーを販売している建設機械メーカーでは、建設機械のセンサーデータ、メンテナンスデータを収集。その中から燃料の温度に着目し、正常稼働時のパターンを機械学習することによって異常検知に成功した。これによってダウンタイム発生低減や部品交換による高額なメンテナンスコスト低減が実現された。

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