IT導入支援

会員限定

株式会社ミロク情報サービス、株式会社インフォマート提供コンテンツ

2017年07月28日
マッキンゼー式の思考法とは? 「日本企業の『経営力不足』は致命的」 赤羽雄二氏に聞くホワイトカラーの生産性向上

日本企業の生産性向上、特にホワイトカラーの生産性向上は、いまや喫緊の課題となっている。近年注目を集める「残業の抑制」や「ワークスタイル変革」も、生産性向上の手段だ。では、生産性向上のため、経営者を含めたビジネスパーソン一人一人が今日から実践できる具体的な取り組みは何だろうか? ベストセラー『ゼロ秒思考』の著者である赤羽 雄二氏に、日本企業が抱える課題とともに、生産性向上のために今求められていること、その中でITが果たす役割などを聞いた。


日本企業の最大の課題は「経営力不足」

──昨今のビジネス環境では、企業の意思決定に、よりスピードが求められているように感じます。こうした変化について、赤羽さんはどのようにとらえていらっしゃいますか?

赤羽氏:インターネットの登場以降、ビジネスのスピードが加速しています。その結果、日本企業と米国企業では、生産性に大きな差がついてしまいました。さらに、企業の成長スピードも加速しています。フェイスブックが登場したのが2004年で、そこから一気に何十兆円もの価値を持つ企業に成長しました。アマゾン、アップル、グーグル、またテスラもそうです。1人の極めて卓越した起業家が登場し、すさまじいスピードで意思決定し、圧倒的な勝ち組になったのです。

 一方の日本企業は、みんなで議論して何もしない。もしくはようやく一歩進むといった状況です。結果として、マラソンにたとえるなら、すでに先頭集団は25〜30キロ付近を走っているのに、日本企業はまだスタート地点、といった状況です。ここから追いつくには、よほどのことをしなければ難しい。「即断即決、即実行」の重要性がますます高まりました。

photo

ブレークスルーパートナーズ
マーケティングディレクター

赤羽 雄二氏

東京大学工学部を1978年3月に卒業後、小松製作所で建設現場用の超大型ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年から1985年までスタンフォード大学 大学院に留学。1986年マッキンゼーに入社、マッキンゼーソウルオフィスをゼロから立ち上げる。2000年、シリコンバレーのベンチャーキャピタル、テックファームに入社。次いで2002年1月、2人のパートナーと独立し、ブレークスルーパートナーズを共同創業。「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命として多方面で活躍中。ベストセラーとなった『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』を始め、『アクション リーディング』『最速成長』『最速のリーダー』など著書多数。


──高度成長期には、日本企業もうまくいっていたように思えますが……。

赤羽氏:高度成長期は、アメリカが何でも買ってくれました。しかも、中国や韓国、台湾、インドなどとの競合もほとんどない状況でした。したがって、ものづくりの伝統、高いすり合わせ技術を持っていた日本は、それを活かして製品を作り、品質を高めていけば売れる商品が作れたのです。

 しかし、今は違います。今は少数のスーパーエンジニアが開発したアプリケーションやサービスが、一気に世界を制する時代です。経営のスピードも製品やサービスの変化も、すさまじく加速しています。

 2000年以降、私は日本企業の「経営力のなさ」が致命的だと指摘してきました。意思決定が遅く、ここぞというときにアクセルが踏めず、勝負できないのです。

 高度成長期に比べて経営者の質が大きく落ちたとか、そういうことではないと考えています。高度成長期に経営者が特別優秀だったわけではなく、アメリカが商品を際限なく買ってくれて、競合があまり存在せず、日本にものづくりの技術があって、日本人に誠実、質へのこだわり、熱心さ、滅私奉公といった資質があったから爆発的に成長したと考えられます。残念ながら、真のグローバリゼーションが始まった途端、そういった競争環境が変わり、日本人の強みが通用しなくなったのです。

この記事の続き >>
・即断即決の意思決定を可能にする「ゼロ秒思考」とは
・「残業ゼロ、人件費アップによる生産性向上」こそ生き残る唯一の道
・ITから始めるな 資料を半分にする過程でワークフロー改善やペーパレス化がある

この続きは会員限定です