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2008年07月17日

経営革新を支える日本のCIO

【CIOインタビュー】地方自治体はITの「地産地消」を!(後編)--長崎県 島村氏

6月27日に閣議決定された「経済財政改革の基本方針2008」では、2008年内に地方自治体に対する国の法令による義務付け・枠付けの見直しの検討を進めるとともに、税源移譲を含めた税源配分の見直しを行い、2009年度中に「新分権一括法案」を国会に提出する旨が盛り込まれた。地方行政のあるべき姿が模索される中、ITが果たすべき役割とはどのようなものなのか?地方自治体のCIOが果たすべき役割は?長崎県 総務部理事(情報政策担当)の島村秀世氏に話を伺った。

「前編:電子自治体の実現とは何を削減することなのか」


組織の文化がどこにあるのかを見つける

島村秀世氏

長崎県
総務部理事(情報政策担当)
島村秀世氏

──中心となるデータベースがとても重要になりますね。作りこみが大変だったのではありませんか?

 業務のデータが集約するデータベースを作る時に気を付けたことがあります。それは、「その組織の文化がどこにあるのか」を見つけることです。行政ではそれが「決裁」と「人事異動」でした。

 行政ではものすごく多くの決裁を行います。ということは、この決裁の業務の中には組織情報や役職情報など非常に多くの情報が含まれ、なおかつそれが業務として定型化しているということです。また、毎年職員の1/4が異動します。1/4もの職員が異動しながら業務を継続する組織ですから、異動に伴う作業も同様に定型化されています。つまり、この2つの業務をIT化するところから始めれば、必要な情報がほぼ揃ったデータベースができあがります。

──IT化を進めるにあたってほかに課題はありましたか?

 予算の問題はありましたね。通常、行政の予算は個別の項目ごとに年度で割り振られています。たとえば、電子決裁システム構築の予算は、次年度以降は運用費用のみとなります。もし最初に作ったシステムに問題があって修正しなければならないとなったら、その予算は改めて組みなおさなければなりません。しかし、そんなことを言っていたらシステム改善は遅れる一方です。そこで、入札などで予算よりもシステムが安価にできあがったら、浮いた分をシステム改修などに使えるようにしてもらいました。リリースした後も、必要とあれば改修を行います。普通の予算の考え方では、このやり方はできません。知事の理解と後押しがあってはじめて実現できたのです。このやり方で他の県の半額でシステムを作っている実績があるため、財政課もOKを出してくれました。

 実は、長崎県では毎年システムの数は増えていますが、そのための費用はほとんど増えていません。これは予算の枠組みの中で改修費用が出せていることと、OSSを使っていることによるためです。OSSだから、積み上げ型の保守費用は発生しません。通常、システムが増えていけば、何があろうと保守費用はどんどん積み上がっていきます。しかし、それがないので毎年ほぼ同じ費用でシステム化を進めていけるのです。

──地場企業の活用を続けてこられた訳ですが、今後の展望として考えていらっしゃることはありますか?

 長崎県の地場企業に地場で活躍してもらっているばかりでは、いつまで経っても地場企業のままです。長崎県庁の仕事だけではなく、もっと多くの仕事をして地盤を確立してもらうために、地場企業を長崎県の外に出していく試みをしています。

 というのも、地場企業の積極的な参加は、他の自治体でもみんなやりたがっていることだからです。まずOSSで作ったシステムを他の県に提供します。さらに長崎県で活躍した地場企業の方を連れて行って、講演会やデモを行い、向こうの地場企業の方とお話をしていただきます。その後、長崎県の地場企業とその地方の地場企業が一緒に仕事をするように提案しています。

 最初は長崎の地場企業とともに長崎県のシステムを入れていただき、その後の改修や運用は現地の地場企業にやっていただきます。そうすることで、長崎県の地場企業を長崎県の外に出していくとともに、現地の地場企業にも刺激を与え、自治体で仕事ができる環境を作っていただくのです。

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