
| テックバイザージェイピー(TVJP) 代表 栗原 潔氏
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栗原氏■複数の調査会社が、2009年度の日本国内のIT投資が前年比でマイナス成長となるとの予測を立てています。現在はさらに状況が悪化していますから、マイナス成長は避けられないでしょう。こうした環境下で企業が最もやってはいけないのは、コストの一律カットです。これをやると企業の競争力そのものがそがれてしまうからです。
こういうときこそ、伸ばすべきところは伸ばし、カットすべきところはカットするメリハリのある投資が必要です。具体的には、「ローリスク・ミディアムリターン」の投資を目指すべきでしょう。もちろん、企業によって投資対象は異なりますが、どの企業にも共通しているところでは「サーバ統合」などが、その典型になると思います。また、帳票システムも基幹系業務では必須であるにもかかわらず見逃されがちなことから、紙印刷のコストなど改善の機会は大きいと思います。
岡氏■帳票システムに関しては、以前、調査したことがあるのですが、ほとんど管理できていないというのが実態でした。出力した帳票の種類はおろか、出力量さえわからないケースが多かったのです。ログを見ればわかりそうなものですが、そもそも帳票管理の目的でログをとっていないためわからないのです。大企業なら、帳票システムを見直すことで、億単位のコスト削減は簡単に実現できると思います。
栗原氏■帳票系のシステムは、どうしても後回しになりがちですね。リソースとして見えづらいということもあるのでしょう。逆に言うと、きちんと管理すれば、コスト削減の効果は大きいということですね。まさに、ローリスク・ミディアムリターン投資の典型と言えるでしょう。
岡氏■不況下では、普段なら「そこまでしなくても」という案件が「仕方ない」ということで、通りやすくなるという面があります。古い体質の企業ほどそうでしょう。「むだなコストは強制的にカットしますよ」といったことが言いやすくなるわけですね。
帳票系のシステムですと、最近は「セキュアプリント」(
※1)が注目されています。もちろん印刷文書のセキュリティ確保が目的ですが、印刷に関わるコストを30%削減できたという話も聞きます。印刷のログがとられるためムダな印刷が減り、用紙・インク代が減るからです。これなどは、セキュリティ向上とコスト低減の一石二鳥を実現できるローリスク・ミディアムリターン投資の好例と言えますね。
※1: 印刷文書による情報漏えいを防止するため、ICカードなどで本人認証を行い、印刷した本人のみが印刷文書を手にできるソリューションのこと。印刷枚数を制限したり、いつ、誰が、何を印刷したかをログとして記録したりできるソリューションもある。