• 2009/02/18 掲載

【セミナーレポート】低コスト、グリーン、セキュアなIT環境を実現するシンクライアントの最新テクノロジー

2月5日開催「Wyseシンクライアント World 2009~世界そして日本のシンクライアント"新潮流"」

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高い運用・管理コスト、面倒なセキュリティ対策、高額なライセンス料、大きい消費電力とCO2排出……等々。企業にとって、現在のパソコンはさまざまな課題を抱えている。「シンクライアント」は、これらを一気に解決できる切り札となりうるテクノロジーである。経済状況が大きく悪化した今、そして「クラウド」「グリーンIT」「仮想化」といったキーワードが注目されている今、「シンクライアント」の真の価値に気づく企業が、確実に増えている。欧米で急速に拡大しているシンクライアントの現状と最新テクノロジーを、本セミナーで確認した。

キーワードは「クラウドコンピューティング」
「グリーンコンピューティング」「仮想化」の3つ

【ITアーキテクト】

エム・ピー・テクノロジーズ
取締役社長
佐藤 直浩氏

  セミナーは、エム・ピー・テクノロジーズ 取締役社長 佐藤直浩氏のオープニングセッションで幕を開けた。自社のシンクライアントが電源オンから10秒後には利用可能になっていることを紹介するとともに、シンクライアントがすでに新しいフェーズに入っていると強調。そして、そのシンクライアント分野で、世界的に著名な企業がWyse Technology社(以下、Wyse社)であると紹介し、そのWyse社の社長兼CEOであるターカー・マナー(Tarkan Maner)氏へと、セッションを引き継いだ。

 佐藤氏の紹介を受けて登壇したターカー・マナー氏のセッションタイトルは「いま世界でシンクライアントに何が起こっているのか?」。欧米で急速に広まっているシンクライアントの最新動向とWyse社のテクノロジーが語られた。

【ITアーキテクト】

Wyse Technology
社長兼CEO
Tarkan Maner(ターカン・マナー)氏

 まず、現在の経済状況について触れ、「現在のような厳しい状況はテクノロジーにとっては大きなチャンスである」と強調。そこでカギとなるのが「クラウドコンピューティング」「グリーンコンピューティング」「仮想化」の3つであり、その中心に「シンクライアント」があると説明した。 シンクライアントは、サーバーに配置されたOSやアプリケーションの表示画面だけをクライアントに転送する技術。Wyse社は、約30年にわたってシンクライアントビジネスを展開し、欧米のシンクライアント市場では圧倒的なシェアを持つ。クライアントマシンがロースペックでよいため、「低コスト」「低消費電力」「長寿命」「高セキュリティ」「管理性の高さ」と、企業にとっては"いいことずくめの技術"であると説明した。

 同時に、現在のパソコンが抱える課題も強調。OSやアプリケーションの高いライセンス料、複雑な管理、高スペックに伴う大きい電力消費とCO2排出、複雑で面倒なセキュリティ対策……等々を挙げ、厳しい経済状況の今こそ、こうしたファットなパソコン環境から脱却し、シンクライアントを検討すべきであると語った。

 さらに、Wyse社の最新テクノロジーを紹介。従来、シンクライアントでは不可能とされていたUSBデバイスの利用やスムーズな動画再生を実現し、ユニファイドコミュニケーションの基盤としても、Wyse社のシンクライアントが利用可能であることが説明された。

 最後に、「EarthSmart Computing」と呼ぶコンセプトを紹介。ソフトウェアのアップグレードやセキュリティ、管理、ライセンス……等々の課題を抱えたパソコンからシンクライアントとへのパラダイムシフトを強調して、セッションを締めくくった。

シンクライアントを支える
シトリックスの仮想化テクノロジー

【ITアーキテクト】

シトリックス・システムズ・ジャパン
マーケティング本部
プロダクトマーケティング担当部長
今野尚昭氏

 続いてのセッション「次世代仮想化テクノロジーによる理想的なシンクライアント環境の実現」では、シトリックス・システムズ・ジャパン マーケティング本部 プロダクトマーケティング担当部長 今野尚昭氏より、シトリックス社の最新テクノロジーが解説された。

 冒頭に、1997年にリリースされたMetaFrameから始まるシトリックス社のソリューションの変遷を紹介。そのうえで、今日のITに求められるのは、【1】セキュリティとコンプライアンス 【2】管理・運用コストの低減 【3】俊敏性と柔軟性 【4】ビジネスモビリティ 【5】ビジネス継続性 【6】グリーンIT の6つであると指摘し、そのすべてを解決するテクノロジーこそが「仮想化」であると強調された。

 シトリックスでは、デスクトップ/アプリケーション/サーバーなど、あらゆるITリソースを仮想化し、データセンターからクライアントにデリバリーするシステム基盤を「Citrix Delivery Center」と呼ぶ。そして、Citrix Delivery Centerを構成する製品として、XenDesktop(デスクトップの仮想化)、XenApp(アプリケーションの仮想化)、XenServer(サーバの仮想化)がある。

 さらに、Citrix Delivery Centerによってクライアントデバイスは受信装置となり、セキュリティの向上や運用コストの低減といったシンクライアントのメリットが享受できるようになると説明された。

 また、シンクライアント用ミドルウェアで圧倒的な国内シェアを誇る背景として、画面表示用のプロトコルである「ICA」に言及。どんな通信環境下でも高いパフォーマンスと安全性を確保できるICAを「シトリックスの生命線」と表現し、シトリックス社が持つ高い技術力がアピールされた。

マルチメディアもUSBも
"普通に"使えるWyseシンクライアント

【ITアーキテクト】

エム・ピー・テクノロジーズ
ソリューション本部長
松浦 崇氏

 3番目のセッションでは、「最新型シンクライアント"Wyseシンクライアント"」と題してエム・ピー・テクノロジーズ ソリューション本部長 松浦崇氏より、デモと事例紹介をまじえたWyseシンクライアントの機能説明が行われた。

 まず、従来のシンクライアントの課題として、低レスポンス、マルチメディアコンテンツへの未対応、USBなどの外部デバイスが接続できない点などが指摘され、Wyseシンクライアントでは、これらすべてがクリアされていることが説明された。

 実際のデモンストレーションでも、Windows VistaやWindows XPのデスクトップが5~6秒で表示され、高速に起動することが実演された。動画に関しては、従来のシステムとWyseシンクライアントによる動画再生の比較が行われた。従来のシステムでは、動画がパラパラ漫画をめくるように表示されるのに対し、Wyseシンクライアントで再生した動画はスムーズで、通常のパソコンで再生した場合とまったく変わらなかった。

 また、WyseシンクライアントにWebカメラを接続し、Googleのビデオチャットツールを使ったテレビ通話も実演された。これも通常のパソコンと同様に実行され、ユニファイドコミュニケーションの基盤としても、Wyseシンクライアントが活用可能であることが示された。最後には、シンクライアントシステム導入後に問題となる印刷についても言及。印刷速度、帯域幅制御、プリンタドライバーの一元管理を行うソリューション ThinPrintが紹介された。

 起動速度、マルチメディア、USB、印刷など、従来、シンクライアントの課題とされていた多くの点が、Wyseシンクライアントでは解決されていることが実証されたセッションであった。

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