ビジネス+IT

ビジネス課題別で探す

ITジャンル別で探す

会員限定

2009年03月23日

OFSC(Open Foodservice System Consortium)

外食産業IT化(3)「標準化で外食産業全体の活性化を図り、ITの価値を高める」 (2/2)

標準化によって、外食産業のITに風穴を開ける

──標準化への取り組みについてはいかがでしょうか?

酒美氏 2007年の12月1日に外食店舗内ITシステムの標準接続規格をまず会員の皆様に公開したところです。極めて実務的な規格の詳細を記載しているのが特徴だと思います。現在は会員の皆様を中心に有償にてお配りしていますが、4月より非会員の皆様にも、手数料をいただいて、広くお配りすることを予定しています。

──標準化によって、外食産業はどのように変わるのでしょうか?

湯澤氏 たとえば、店舗の中にはボタンを押すと飲み物が出てくる機器がありますよね。それらをITと結び付けることができれば、オーダーを取ったら自動で飲み物が注がれる仕組みを作ることができます。また、ショップの中で店員がボタンを押したとき、ドリンクを注いだ数をカウントしておけば、それが正しく行われているか監査的に証明することもできます。これによって、業務も効率化されますし、コストの削減にもつながるのではないでしょうか。

 IT機器を簡単に接続できるインターフェイスの標準規格があれば、外食産業でもIT化が進んでくると思います。今回、初めてOFSCで正式なインターフェイスの標準規格を発表したので、これを基にいろいろな進展が見られるようになるかもしれませんね。

酒美氏 標準規格ができて一番期待している点は、現在、外食産業のITをビジネスにしていない方々が、従来と異なるコンセプトや新鮮なアイデアによって、新しく提案してくれる可能性が出てきたということです。自分も含めて、この業界の人だけでは常識の縛りの中で活動してしまうため、どうしても閉塞感が生まれてしまいます。システムを利用するユーザーもこの業界人なので、いままでの延長線上で物ごとを考えることが多かったのです。逆に常識を持っていない外部の人たちが外食産業に入ってこられるようになれば、自由な発想で新しいサービスなり、新しいハードウェアなりが生まれ、ビジネスの革新が起きれば、この停滞感を打破してくれるのではないかと期待しています。

インフラを整備することで、新しいビジネスの誕生を期待

──OFSCは日本でのみ展開しているのでしょうか?

酒美氏 特に海外製品を利用できるようにすることまでは意識していませんが、規格としてグローバルなものにしたいと考え、米国ARTS(Association for Retail Technology Standard)と連携しています。ARTSは10年以上前から、米国と欧州を中心に外食産業・小売流通業向けにIT技術の標準化を進めています。ユーザー主導の標準化団体であるため、かなり大きな力を持っています。

 外食産業において、米国に次ぐマーケットを持つ日本が加わることで、この業界の世界標準が作れるものと思っていますし、我々は現在まさに世界標準をつくっているという認識のもとで、こちらの要求も伝えて標準化の内容に互換性を持たせています。実際にARTSでは、POSデータ送受信の仕様の中にも、収入印紙・電子マネーなど、日本独自の仕様も取り込まれています。

──グローバルな取り組みを行えばワールドワイドでイノベーションが起きるかもしれませんね。OFSCとして、今後の展望や抱負について教えてください。

酒美氏 我々は、標準インターフェイスという新しいインフラを整備しただけです。インフラをつくっただけで、そのうえでどのような新しいビジネスを行うのか、これから起業されるような方々の力にも期待しています。また、そのために普及・啓蒙しているところです。これからも我々はしっかりした道を作っていきますので、それを大いに活用して、皆さんに活用していただければ嬉しいです。

 今後はユーザー企業の方はもとより、さまざまなサービスを展開されている企業の方や、厨房関係などの企業の方などにも、もっと多くOFSCへ参加していただきたいです。現在はOESなど、勘定系を中心にITが利用されていますが、厨房機器とつながることで、人がやらなくてもよい作業を自動化することができるようになります。このような試みが広がれば、外食業界全体が活性化し、マーケットも拡大するでしょうし、ITの価値も引き上げてもくれるのではないでしょうか。

(執筆:井上猛雄、構成:編集部 松尾)

流通・小売業IT ジャンルのトピックス

一覧へ

流通・小売業IT ジャンルのIT導入支援情報

一覧へ

関連リンク

PR

注目のIT導入支援情報

一覧へ

注目のイベント・セミナー情報

一覧へ

イベント・セミナー情報の登録(無料)

記事アクセスランキング

イベント・セミナー情報アクセスランキング