老朽化した旧データセンターがビジネスの成長の足かせになっていた

ネットプライス ソリューション本部 システム管理チーム リーダー 水書 靖之 氏

　インターネット通販やオークションサイトなどの運営から、新規ビジネスのインキュベーションまで、eコマース分野で幅広い事業を展開するネットプライスグループ。その中核的存在であるネットプライスは、2000年3月のサービス開始以降、インターネット上での国内初の共同購入サービスでの成長を続けてきた。以来、一貫して「めずらしい･おもしろい・安い」をスローガンに、ファッションから美容コスメ、家電から生活雑貨まであらゆるジャンルにわたり、商品を提供している。

　同社はいずれのビジネスもインターネット上で行っている企業とあって、サーバやネットワーク管理への意識も高く、1999年に会社を立ち上げた当初からデータセンターを利用してきたという。早くからデータセンターを活用してきたネットプライスが、今回、データセンターの全面移転を行わなくてはならなかった背景について、ネットプライス ソリューション本部 システム管理チーム リーダー 水書靖之氏は次のように語る。

「会社の成長スピードが非常に早く、それに伴ってデータ量やサーバ使用量が加速度的に増えていました。その一方で、設立当初から利用してきたデータセンターは築後約10年を経て、建物や設備の老朽化が進み、私たちのビジネスの伸長に合わせたサーバ増設やシステム拡張が難しくなっていました。最近のサーバは電力効率も向上していますが、それ以上に求められるパフォーマンスが向上した結果、使用電力や発熱量も大幅に増加しました。しかし、冷却能力に制限があるため、1ラックあたりの使用電力が制限され、サーバの増設などもそのキャパシティに合わせざるを得なくなっていたのです」

ネットプライスが直面していたのは、発熱量の問題だけではない。ネットワーク帯域の確保も大きな問題だったという。

「データセンター設立当時は十分だった100Mbpsも、移転前の何年かはトラフィックの上限すれすれの状態が続いていました。とくにTVでサイトが紹介された直後などはアクセスが殺到するため、早急にギガビット化する必要を感じていました」

こうした問題に対して抜本的な解決をはかるべく、ネットプライスでは2007年頃から本格的な改善策に取り組み始めた。