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2009年10月28日

今、中小企業に求められるIT活用の政策支援とは:中堅・中小企業市場の解体新書(6)

民主党政権の発足から、早くも一か月余りが経過した。マニフェストに記載された中小企業を対象とした政策支援策では活発な取り組みが見られる。その一方で、納税どころか資金繰りも苦しむ中小企業が多い中、税率の引き下げがどれだけの効力を持つのか疑問視する声もある。今中小企業は政策に何を望んでいるのだろうか?ノークリサーチの調査結果をもとに読み解いてみよう。

【連載一覧】中堅・中小企業市場の解体新書

執筆:ノークリサーチ 岩上由高



 民主党政権の発足から、早くも一か月余りが経過した。マニフェストに記載された中小企業を対象とした法人税率の18%から11%への引き下げ策や、最近話題になっている債務返済猶予制度(いわゆる「モラトリアム制度」)など、中小企業向けの政策支援策では活発な取り組みが見られる。

 だが、納税どころか資金繰りに苦しむ中小企業が多い中、法人税率の引き下げがどれだけの効力を持つのか疑問視する声もある。またモラトリアム制度にしても、制度を活用した後の新規融資条件が厳しくなるのではないかといった懸念も挙げられている。

 すなわち、カンフル剤的な対策も必要だが、それと同時に中長期での成長戦略も視野に入れた支援策が求められるといえるだろう。そのためにはITの活用も重要なポイントとなってくる。

 そこで今回は中小企業にとって本当に望ましいIT活用における政策支援は何か?について民主党の取り組み状況と中小企業に対する調査結果を元に考察するとともに、中小企業側として日頃から取り組んでおくべき情報収集のポイントについて述べることにする。

「eビジネス振興のための政策に関する質問状」への回答

 中小企業におけるIT活用支援策について民主党が公言しているものの中では「eビジネス振興のための政策に関する質問状」への回答が具体的で分かりやすい。これは楽天の三木谷代表取締役会長兼社長がIT関連企業経営者60人と共同で総選挙前の自民党と民主党に提出し、回答を求めたものである。

 この質問状は全部で6つの質問項目から構成されるが、そのうちの『電子商取引の促進等ITの利活用によるeビジネスの振興は、内需拡大、地域振興・中小企業活性化、日本の国際競争力の向上等の観点から非常に重要と考えますが、 ITの利活用によるeビジネスの振興をどのように位置づけられ、具体的にどのような政策を講じられますか』という質問が、今回のテーマに最も深く関連するものになっている。

 これに対する民主党の回答のうち、中小企業向けの支援策をまとめると以下のようになる。

1.法人税率を11%に軽減
2.一人オーナー会社の役員給与に対する損金不算入措置の廃止
3.ベンチャー企業の株式購入時に投資額の一定割合を税額控除
4.月額10万円の手当てが付いた職業訓練におけるIT関連訓練の促進
5.日本版のSBIR(Small Business Innovation Research)やSTTR(Small Business Technology Transfer)といった制度の改善および導入

 1.から3.は、ITそのものというよりは経営全般における支援策といえるだろう。4.については雇用対策の一環として国全体のITリテラシー向上を目指した施策といえる。

 5.は中小企業における研究開発を活性化させ、イノベーションを促進させることを目的としたものだ。SBIR(Small Business Innovation Research)は有望と思われる研究開発への助成制度、STTR(Small Business Technology Transfer)は中小企業が大学などの研究機関と共同で実施する研究開発への助成制度である。こうした制度を通じて、IT分野における裾野の人材を充実させることを目指すとしている。

 厳しい経済環境で財政面での負担を少しでも減らし、同時にIT産業の人材面での底上げを図るという意味でこれらの施策は評価できる。しかし、ITを自社のコア業務としてではなく、業務を促進する縁の下の力持ちとして活用したい中小企業をどう支援するか?について今後より具体的な施策の提示を期待したいところである。

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