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2009年11月27日

失敗しないCRM活用のポイント:中堅・中小企業市場の解体新書(8)

今回はCRM(Customer Relationship Management)を取り上げる。いかなる業種においても、顧客と良好な関係を構築/維持することは事業継続の必須要件といえる。そうした重要性が広く認識される一方、CRMは「導入の結果、業績が大幅アップした」という成功例と「導入はしたものの、一向に成果が上がらない」という失敗例との落差が大きいソリューションの一つでもある。そこで今回は「CRMとは何か?」をもう一度整理した上で、自社ニーズに適した失敗のないCRM活用のポイントについて述べていくことにする。


執筆:ノークリサーチ 岩上由高
CRMの種別を把握した上で、まず自社の課題を洗い出す

 実はCRMというのは非常に広い概念であり、複数のアプリケーション種別を含んだ総称でもある。つまり、「誰が何のために使うのか」によってCRMには複数の選択肢が存在するのだ。CRM活用を成功させるためには、まずそうしたCRMの種別を把握しておく必要がある。

CRMの種別を把握した上で、まず自社の課題を洗い出す


分類 関連する呼称 主な利用者 期待される主な効果
営業支援系 SFA
(Sales Force Automation)
営業部門 商談管理の効率化などによる営業成績向上
コンタクトセンタ系 CTI(Computer Telephony Integration) サポート部門 問い合わせ応対改善などによる顧客満足度向上
Web/メッセージング系 フォーム作成 / メール配信 営業/マーケティング部門 Webやメールを活用した新規の顧客開拓と既存顧客との関係維持
分析系 BI(Business Intelligence) 経営層/マーケティング部門 経営層や現場での判断に役立つデータの収集と分析による施策改善

 上表はCRM種別をまとめたものである。以下にて各種別について順に解説していく。

営業支援系:
「SFA(Sales Force Automation)」とも呼ばれるものであり、比較的古い歴史を持っている。主に社内の営業部門が利用し、引き合い/見積/発注といった商談のプロセスを管理し、見込み顧客に対して時期を逃さずに効率的かつ効果的にアプローチするための支援機能を提供することを目的としている。

コンタクトセンター系:
「CTI(Computer Telephony Integration)」や「コールセンタ」とも呼ばれるもので、こちらも比較的古い歴史を持つ。顧客からの電話問い合わせがあった際、オペレータの画面上に同一顧客の過去の問い合わせ内容を表示させるなどといった機能を備える。顧客応対業務の品質を改善することによって、顧客満足度の向上を図ることを主な目的としている。

Web/メッセージング系:
営業支援系やコンタクトセンター系と異なり、比較的近年に登場してきた新しいCRM種別である。ホームページに「問い合わせ内容入力画面」を設け、顧客からの質問を受け付ける機能を手軽に付加できる「フォーム作成」や、一定の条件を満たす顧客層に一斉にキャンペーンの通知を配信できる「メール配信」といったものがある。いずれも急速に発展したインターネット上のマーケティングをサポートするものであり、関連する製品やサービスを提供する業者も新興のIT企業であることが多い。

分析系:
意外と歴史は古く、大企業が自社顧客の購買動向を分析するなどの目的で長く利用されてきた種別である。「BI(Business Intelligence)」は顧客管理に限らず、企業活動全般のデータを収集/分析することにより、経営上の問題点を把握/改善するものを指す。そのためCRMに固有の用語ではないが、ここではCRM種別の中で分析に重点を置いたものを指す呼称として挙げている。

 このようにCRMと一言でいっても、実は様々な種別が存在する。当然ながら、上記に挙げた4つの種別を組み合わせたパターンもあるので、実際の製品/サービスの持つ機能は実に多彩なものになっているということがおわかりいただけるだろう。

 ここで重要なことは「CRMの製品/サービスを選択する前に、まず自社の課題と目的を明確にする」ということである。最近では上記4つのいずれかに特化した製品/サービスは少なく、むしろ複数の種別にまたがる機能を備えたものが少なくない。いきなり製品/サービスの検討から始めてしまうと、ユーザー企業は「備わった機能はすべて使わなければ損である」と思いがちだ。その結果、営業部門/サポート部門/経営層といった複数の部門に一気に導入してしまい、CRMを効果的に活用するための社員に対する教育や啓蒙がおろそかになってしまうのである。こうした事態を避けるためにも、CRMの製品/サービスを見る前に、まず自社の現状における課題を洗い出し、重点的に解決すべき点を絞り込んでおくことが非常に大切である

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