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  • 2010/03/11 掲載

「大事なファイルが見つからない」を解消する方法:中堅・中小企業市場の解体新書(14)

ノークリサーチ 岩上由高氏

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大企業の各事業部はもちろん、中堅・中小企業においても、ファイルサーバは広く利用されている。「エクスプローラ」などで共有フォルダを開いて、部課内で共有したいオフィス文書を保存するといった操作は、誰もが1度は経験しているだろう。規模の大きくないユーザー企業では、ファイルサーバの台数も限られており、全体のデータ量もそれほど多くない。とはいえ、抱える課題は決して少なくないのが実情だ。今回はオフィス文書の共有を図ろうとする際の課題と、具体的なIT製品もご紹介しつつ、その解決方法について考えてみよう。

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ シニアアナリスト 博士(工学)
早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは多方面で培った経験を生かし、リサーチ/コンサル/執筆・講演など幅広い分野を担当。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。

ファイルサーバ活用における課題


 以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業に対し、「ファイルサーバ(NAS)活用における課題」を尋ねた結果である。

画像
図1 ファイルサーバ活用における課題

 結果を見ると「さまざまなデータが分散して格納されているため、適切な管理ができない」「ディスク容量の状況把握や効率改善ができていない」といったように、運用/管理に関連する課題が目立つ。ファイルサーバの運用/管理に関連した課題をユーザー側の日々の業務シーンに照らして整理してみると、大きなポイントとして以下の3つが浮かびあがってくる。

課題1:目的のファイルがすぐ探せない

 中堅・中小企業では、大企業と比較すると蓄積されるデータ量は少ない。しかし、PCサーバの価格下落が進んだこともあり、近年ではファイルサーバ用途として、PCサーバを手軽に導入できるようになった。そのため、「部」や「事業部」よりも細かい「課」や「グループ」の単位でファイルサーバ用途のPCサーバが数多く存在する状況が形成された。

 ディスク容量が上限を迎えた場合、本来であれば「複数のファイルサーバを統合する」「複数のPCサーバで共有できるストレージ機器を導入する」という対策が望ましい。だが、この場合も安価なPCサーバを追加するという対処を選択するケースが過去少なくなかった。この結果、データ量がそれほど多くなく、組織単位も小規模でありながら、複数のファイルサーバが乱立するという状況が生まれてしまった。

 また、部門単位で導入されるファイルサーバについては、専任の管理者が不在となるケースが多い。「エクスプローラ」から手軽にアクセスできるという簡便さも影響し、ファイルサーバ内に個々の社員がフォルダを勝手に作ってしまうといったことが起こりやすい。結果的にまったく整理されていないフォルダ構造を持つファイルサーバができあがってしまうことになる。

 このように、「ファイルサーバの乱立」や「無秩序なフォルダの作成」を続けた結果、必要なファイルをすぐに探し出せない状況となってしまったのである。

課題2:不要なファイルが溜まっている

 ファイルサーバ用途に安価なPCサーバを手軽に導入できるとはいえ、昨今の厳しい経済環境ではIT予算を大幅に縮減しているユーザー企業も少なくない。「ファイルサーバを追加する前に、まず必要のないファイルを削除するのが先決だ」という判断が下されることも多いだろう。

 だが、前述のように、どのようなファイルがどこにあるかを把握できない以上、削除すべきファイルを特定することは非常に難しい。それができたとしても、個々の社員が削除指示に従わず、依然として不要ファイルが残り続けてしまうこともある。このように「不要なファイルを削除できない」ことも大きな課題となっている。

課題3:似た内容のファイルがいくつもある

 オフィス文書を手直しした場合、「修正前の文書も念のため取っておこう」という気持ちでファイルサーバに保存している方も多いだろう。きちんとバージョン管理をしていればよいが、ファイル名を少し変えて別ファイルとして保存するだけでは、後でどれが最終版なのかわからなくなる可能性がある。さらに、そのファイルを見つけた他の社員が「これを元に別の文書を作ろう」と考え、ファイル名は同じだが内容の異なる文書を同じファイルサーバの別フォルダに保存するかもしれない。

 その結果、「**サービスのご提案」というキーワードでファイルサーバ内を検索すると、「自分が作成した古い提案書」や「他社員が加筆した提案書」が出てきてしまうことになる。検索結果として挙げられた文書を1つずつ開き、中身を確認しながら目的の文書を探すといった作業を日々強いられているケースも少なくない。

 これら3つの課題を解決する手段として、まず考えられるのがファイルサーバの統合だろう。大容量のストレージ機器を導入すれば、問題は解決するように思える。しかし、「どのファイルをどのように整理すべきか?」の現状把握ができなければ、何をどう統合するのか、プランを立てることも困難だ。また、経済環境の厳しさを考えると、新たなハードウェア投資に踏み切れないユーザー企業も少なくないだろう。こうした問題を解決する方法として注目を集めているのが、とあるソフトウェアなのである。

>>「大事なファイルが見つからない!」の問題をコストを抑えて解消する

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