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  • 2010/03/25 掲載

【日本マネジメント総合研究所 戸村智憲氏インタビュー】重要性を増すID・ログ管理・内部統制、クラウド活用で利便性高められる

ID管理、ログ監査、ITツール活用のポイント

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急速なクラウド化の流れの中で、外部にあるパブリック・クラウドと、内部にあるオンプレミス、プライベート・クラウドなどにIT資産や運用対象が分散していくことが必至の今、企業はID・ログ管理をどのように考え、内部統制を再構築していくべきなのか。国連での内部監査業務を皮切りに、内部統制と企業戦略のスペシャリストとして活動を続けている戸村智憲氏に、その基本的な考え方と実践のポイントを聞いた。

クラウドの前に重要なのは、自社のセキュリティを見直すこと

photo
日本マネジメント総合研究所(JMRI)
理事長
戸村智憲氏
 急速に進むクラウド化の中で、改めてID・ログ管理への関心が高まっている。というのも、クラウドの活用によって、社内外にシステムが分散し、その中でいかに最適な内部統制を再構築していくかという問題があるからだ。そもそも企業の経営層やシステム担当者は、クラウドの本質に対して、どれくらい理解を進めているのだろうか。日本マネジメント総合研究所(JMRI)の理事長を務める戸村智憲氏はこう指摘する。

「現在のところ、ほとんどの企業は『クラウド=よくわからない』という感覚にとどまっているのが実情です。クラウドという言葉がトレンドとして先行する一方で、理解が進まないまま導入を検討されている経営層は多いのではないでしょうか。さらに実際の現場では、クラウドのセキュリティに関する懸念や、新しい技術に対する漠然とした不安があるような印象を受けます」

 また、そもそもクラウド化を議論する以前の段階にとどまっている現場も少なくないという。

「たとえばID・ログ管理の方法1つとってみても、サーバルームの入退室管理というごく基本的なことでさえ、厳格に管理されていない例がしばしば見受けられます。たとえば『入室申請・承認』と『退室申請・承認』が対で行われるという企業では、入室申請と退室申請ばかりが管理簿に並び、後付けで入室承認と退室承認の印鑑を押している実態もあったりします。つまり、この例では、入室承認されていない人が勝手に入室し、さらに、退室承認されてはじめてサーバルームから退室できるはずなのに、勝手に退室しているということになります。自社の基本的なセキュリティ、内部統制が十分でないのに、漠然とクラウドは危険だ、と思い込むのは、論理的な対応ができていないクラウドへの感情的な過剰反応といえるでしょう」

 昨今ではとにかくクラウドへ移行すべきとの論調も多いが、そこは逆に焦る必要はないと戸村氏は語る。

「何がなんでもすべてのデータをクラウドに移す必要はありません。何をどこまでクラウド化すべきかについて、IT資産の棚卸しリスクの重要度を見分けることが重要です。その上で、そのままオンプレミスのままの方が良いものは既存のものを上手に使い、経営効率化に役立つものは、必要に応じてクラウド化していくのが賢く効率的な方法だといえます」

 戸村氏は、こうした考え方を『ハイブリッド型クラウド』として商標を取得し、その考えの重要性を訴えている。

>>次ページ クラウドとオンプレミスを組み合わせた「適材適所」のID・ログ管理とは?

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