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2010年08月03日

業績好調企業が重視するIT、業績悪化企業が軽視するIT:中堅・中小企業市場の解体新書(18)

中堅・中小企業を取り巻く経済環境は依然厳しい状況が続いている。しかし各種の統計調査によれば、徐々に回復傾向が見られ始めている。積極的にIT投資を行い、業績改善に役立てている企業も少なくない。今回は、業績の良い企業はどんなIT活用を重視しているのか、また逆に、業績の悪い企業はどんなITを軽視してしまっているのかについて、調査結果を交えて分析をしてみよう。

執筆:ノークリサーチ 岩上由高

ようやく底打ち感が出てきた「経常利益DI」「IT投資DI」

 以下のグラフはノークリサーチが年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「IT投資DI」と「経常利益DI」を尋ねた結果を、調査時期別にプロットしたものである。「IT投資DI」とは今四半期以降のIT投資予算額が前四半期と比べてどれだけ増減するかを尋ね、「増える」と「減る」の差によって算出した数値である。つまり、IT投資意欲が増える/減るのいずれの方向に向いているかを表した指標といえる。

 一方、「経常利益DI」とは前回調査時点と今回調査時点を比較した場合の経常利益変化を尋ね、「増えた」と「減った」の差によって算出した数値である。四半期ごとの企業業績変化を示した指標に相当する。

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図1 IT投資DIと経常利益DIの全体変化


 この指標をみると、2009年5月から2010年5月まで一貫して「IT投資DI」「経常利益DI」共にマイナスの数値を示している。つまり、IT投資も経常利益もずっと下降線を辿っていたことになる。

 しかし、「経常利益DI」は、2009年11月を境に上昇に転じており、2010年5月の「経常利益DI」は-2.3と横ばいに近い値となってきた。これは企業業績が次第に回復していることを示しているといえるだろう。一方、「IT投資DI」は-10.4とまだマイナス値がやや大きいが、回復傾向は鮮明だ。 このように「IT投資DI」「経常利益DI」は、次回調査の2010年8月にはゼロに近い値まで回復する可能性があり、「底を脱した」印象がある。

 だが、不況下においても、消費者嗜好の多様化/分散化や企業活動のグローバル化といった変化は着実に進んでいる。景気が回復したとしても、従来と同じやり方では通用しないかも知れない。

 そうした環境変化に追随するためにはITの活用が不可欠だ。つまり、景気が徐々に回復の兆しを見せる昨今、中堅・中小企業が考えるべきなのはIT活用における次のステップをどう踏み出すか、である。巷にはさまざまなITソリューションが存在する。その中で自社に適合したものを選択するのは容易ではない。

 そこで、次ページからは「業績の良い企業はどんなIT活用を重視しているか?」「業績の悪い企業が軽視しているのはどんなIT活用なのか?」といったことに着目してみることにする。つまり、儲かっている企業が大切と考えているIT活用を知ることができれば、本当に役立つIT活用を見定める上での大きなヒントになるに違いないというわけだ。

【次ページ】業績の良い企業が役に立つと考えているIT活用項目

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