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2010年10月29日

飛び込み訪問で無償の公的支援、“異彩を放つ”あだち産業センターの試み:中堅・中小企業市場の解体新書(21)

ノークリサーチの本社がある東京芸術センターに隣接する位置に、東京都足立区の中小企業支援のための施設「あだち産業センター」がある。同ビルの5つのフロアーすべてが中小企業支援のための施設であり、資金融資相談や起業支援を行っている。とかく「待ち」の姿勢が多い公的事業の中にあって、同センターが行う「トータルマッチング事業」は異彩を放っている。なんと企業に飛び込み訪問して、直接無償の公的支援を利用してもらうのである。ここでの取り組みを通じて、中小企業への支援について考えたい。

執筆:ノークリサーチ 伊嶋謙二

中小企業支援のための行政窓口「あだち産業センター」が目指したこと

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足立区 あだち産業センター

(撮影:ノークリサーチ)

 家族経営で行うような小規模・零細企業の経営者の判断は、そのまま企業の判断と一体となっていることが多い。こうした経営者の多くは、すべての職域を1人でこなすために、時間的にも精神的にも余裕がない。つまり、経営者の重要度の序列はシンプルになり、事業継続に直結するキャッシュフローの動向、および仕事の受注状況がほぼすべてに優先されることになる。

 そのような中堅・中小企業の経営者に、間接的な支援の方法はあまり効果が期待できない。困窮する経営者にとっては直面する課題(大半は融資などの資金面の問題だが…)を解決することが最優先で、それ以外に役立つ情報はむしろ有難迷惑のように受け取られてしまう。残念だが、私も一経営者としてその気持ちが分からないでもない。

 有益な支援や魅力的な提案であっても、多くの経営者は、ただ発信されただけの情報は気が付かないし、重要性を認知しない。そのため中小・零細企業は各種の有益かもしれない情報を知らずにやり過ごしてしまっている。

 それならばと直接経営者にぶつかって、支援を受けさせるように営業するという大胆な試みを行っているのが、今回取り上げる「あだち産業センター」だ。

 まずは「あだち産業センター」について簡単に説明しておこう。同センターは2006年(平成18年)に、東京芸術センターと同時期に足立区の産業経済部中小企業支援課のブランチオフィスとして活動を開始した。区職員が11名、その他も含めて約30名のスタッフで構成されている。

 フロアー別にみると、以下の通りである。

1F 「産業情報室・産業展示室」ビジネスコンビニ、地場産業品・伝統工芸品の展示、夜間の相談、企業の掲示板サービス(受発注、登録企業紹介など)
2F 「中小企業支援課・各種相談窓口」(起業や創業支援、資金融資相談、各種相談の窓口。トータルマッチング事業のスタッフ常駐)
3F 「産業交流室」(地域の産業の交流やセミナーなどを行うスペース提供)
4F 「東京商工会議所足立支部」(中小企業などの経営をサポートする地域総合経済団体)
5F 「IT支援室」(IT活用をサポートするための施設。ITサポートを行う民間企業に場所を貸している)

【次ページ】積極的に支援を受けてもらうあだち産業センターの取り組み

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