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2011年01月25日

中堅・中小企業市場の解体新書(24)

中堅・中小企業の法人税とIT関連優遇税制、2011年度に向けて押さえるべきポイント

これから年度末(2011年3月期末)を迎えようとする中堅・中小企業も多いだろう。期末を無事に乗り切るため、販売面での追い込みに取り組む時期でもある。この時期にIT活用を考える余裕などないと思いがちだが、2011年3月はIT関連の優遇税制の節目を迎える時期でもある。2011年度(2012年3月期)になってから、「どうせ導入するのなら、あの時にやっておけば良かった」といったことになるのは避けたい。そこで今回は、中堅・中小企業が利用できるIT関連の優遇税制の現状と今後についてまとめ、今投資しておくとお得な分野を具体的に紹介しよう。

執筆:ノークリサーチ 岩上由高

法人税率は下げられたものの、それを享受できる中堅・中小企業は多くない

 2010年12月、政府は「平成23年度税制改正大綱」を発表した。この中には中小企業の法人税率の引き下げも盛り込まれている。最初に、税制全体の動きとして、この中身を確認しておこう

 図1をご覧いただきたい。一番上の(1)が企業(普通法人)の法人税率だ。

photo

図1 法人税率一覧


 このうち、中小企業育成などを目的に、政府は2009年4月1日〜2011年3月31日の時限措置として、上記表における「年所得のうち、800万円以下の金額部分」の税率を18%に引き下げた。この措置は2011年3月31日、つまり今年の3月末で期限を迎える。そこで、税制改正大綱の中で、新たに2011年4月1日〜2014年3月31日までの間、18%だった税率をさらに引き下げて15%とする旨を発表した(図1の(2))。

 さらに、「年所得のうち、800万円以下の金額部分」については、総則として22%から19%に引き下げる施策も併せて実施するとしている(図1の(3))。

 ニュースなどで、「平成23年度税制改正大綱によって、中小企業の軽減税率が18%から15%にさらに引き下げられ、総則としての税率も22%から19%に引き下げられた」と書かれることがあるが、これは上記の流れを端的に述べたものだ。つまり、国が定める「中小企業」とは資本金または出資金が1億円以下の企業を指し、その年所得のうち800万円以下の金額に対して適用される措置であることに留意する必要がある。

 だが、国税庁が発表した2008年度会社標本調査における国内企業の赤字率(いわゆる、欠損法人割合)は71.5%にも達しており、多くの中堅・中小企業が赤字の状態に陥っている。こうした状態は2009年度以降も続いていると考えられる。そのため、法人税率の引き下げを享受できる企業は少なく、IT関連をはじめとする設備投資を行うための財源確保には必ずしもつながらないというのが実態だ。

【次ページ】 中小企業情報基盤強化税制を活用して、今のうちに投資しておきたいもの

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