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  • 2012/02/15 掲載

【インタビュー】 あえて人の手を介在させ、地域で作り上げるバスロケーションシステム

京成バス 藤本剛弘氏、レゾナント・システムズ 鳥越光暁氏、秦 武司氏 に聞く

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ソフトバンクモバイルの3G網を利用するM2M通信モジュールを使い、バス停留所間でバスの運行情報を共有するバスロケーションシステムが荒川区のコミュニティバスに採用されている。従来型の高精度、自動化されたシステムではなく、利用者自身がバスの通過を次の停留所に知らせる半自動システムを採っているのが大きな特徴だ。運行する京成バスと、開発に携わったレゾナント・システムズを訪ね、その真意と開発経緯をうかがった。

バス路線もバスロケも地域で作り上げたい

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京成バス
企画部長 兼 企画課長
藤本剛弘氏
 近年、従来の大型バスが通れないような細い路地を結び、地域の足として活躍するコミュニティバスが増えている。京成バスが運営する荒川区のコミュニティバスも、そうしたバス路線のひとつだ。採算性だけを優先するのではなく、独自の地域協力型バスロケーションシステムや、新たな乗務員の採用など実験的な運営に取り組んでいる。

 京成バスが、荒川区を走るコミュニティバス「さくら」に最初に導入したのは「ロケ咲くくん」という名前のバスロケーションシステムだ。バスから降りた利用者や通りがかりの住民がバス停に備わったボタンを押すと、次のバス停にバスの接近を知らせるという半自動のシステムだ。ボタンを押されたことを知らせるために、それぞれの停留所のシステムにはソフトバンクモバイルの3G網を利用するM2M通信モジュールが組み込まれている。このネットワーク機能を使って自動化も可能だったがあえて半自動の方式を選んだ。京成バス 企画部長 兼 企画課長の藤本剛弘氏はその理由を次のように語る。

「下町エリアを走る路線なので、地域住民みんなでバス路線を作り上げたいと思いました。そこでバスロケーションシステムも、自分のためではなく次の停留所にいる人のためにボタンを押して知らせるという、参加型のものを採用しました」

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レゾナント・システムズ
インスツルメント部長
鳥越光暁氏
 システム構築を行ったのは、レゾナント・システムズだ。音声合成を使ったワンマンバス用案内装置などを得意とする同社では、従来のシステム化とはまったく違うアプローチに当初は戸惑いを感じたと、レゾナント・システムズ インスツルメント部長 鳥越光暁氏は言う。

「自動化、省力化を目指したシステムは得意ですが、あえて手動化するということにかえって難しさや不安を感じました。しかし、あえて手動化することにより住民に参加してもらいたいという京成バスさんの強い熱意を感じ、『ロケ咲くくん』を完成させました」

 住民に参加を促し、一緒にバス路線を作っていきたかったという京成バスの思いは利用者にも受け入れられ、半自動のバスロケーションシステムは地域に浸透していった。

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