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2011年05月30日

中堅・中小企業市場の解体新書(27)

なぜTwitterで売上アップできないのか:小規模企業における「業績改善」と「IT活用」の溝を埋める(後編)

前編では、年商5億円未満/従業員数20人未満の小規模企業の現状について解説した。この話をまとめると、小規模企業がIT投資を縮小する最も大きな理由は「資金的な余力がない」のではなく、「現状を維持する以外、特にITに対して投資をする必要はない」という認識を持っているということだ。その背景には「IT活用=売上増ではなく、単に業務効率を改善するもの」というある種のステレオタイプがあり、「業績改善」と「IT活用」の間にある溝を埋めることが課題であることを述べた。後編となる今回はこうした溝を埋めるために小規模企業が取り組むべき具体策について解説していく。

執筆:ノークリサーチ 岩上由高

実績を元にして有効なIT活用策を選択する

 前編の結びでも触れたように、小規模企業が「業務効率改善のIT」だけでなく「売上増加のIT」にも踏み出すためには次の2つの要件を満たすIT活用施策を選択しなければならない。

要件1:経営層から見て「売上増につながる施策である」という納得が得られること
要件2:短期間で効果を確認でき、高度なITスキルを持つ人材を必要としないこと

 以下のグラフは年商5億円未満の小規模企業に対し、「業績改善に役立つと考えるIT活用」を尋ね、その結果を2011年2月時点での前四半期に対する経常利益増減別に集計した結果である。実際に尋ねたIT活用項目は多岐に渡るが、以下ではその中から3つを選んでグラフ化している。

photo

業績改善に役立つと考える3つのIT活用項目


 各グラフには「増加」「変化なし」「減少」という3つの項目がある。これは経常利益が「増加した企業」「変わらない企業」「減少した企業」のグループ分けを示す。各項目ごとに横に伸びる棒グラフが各IT活用項目を重要視している度合いを表している。

 この結果を見ると、いずれのIT活用項目についても「増加」のグループの方が「減少」のグループよりも横棒グラフが長い。つまり、そのIT活用項目をより重視している企業の方がそうでない企業よりも良い結果を出していることになる。その点では、いずれのIT活用項目も要件1を満たしているといえる。

 一方、要件2についてはどうだろうか?「購買/販売/在庫/物流システムの改善による商流の円滑化」は既にある程度の商流量があり、それらをきちんと管理できるだけのスキルを社員が有している場合には効果が期待できる。

 だが、自社商材の販売量そのものが伸び悩んでおり、システム投資を行うだけの余裕がない小規模企業にとっては最適な対策とはいえない。「顧客管理システムによるリピート率や顧客満足度の向上」についでも同様だ。既にある程度の顧客数を有し、既存顧客の購買を活性化させるための業務プロセスが機能している場合には効果が期待できる。しかし、小規模企業の多くはそれ以前の段階である新規顧客獲得に苦慮している状況だ。

 このように要件1を満たしていても、実際には小規模企業にとっては「高級すぎる」施策となり、要件2の観点で合致しないものが少なくない。小規模企業が成功事例として紹介されるIT活用例を見た場合に「ウチの会社では無理そうだな」と感じてしまうことが多いのもこうした理由からだ。

 だが、丹念に見ていくと要件1と要件2を同時に満たせそうなIT活用項目もある。その例が3つ目に挙げた「Twitterなどの一般向けサービスを活用したマーケティング」である。他の2項目と比べて重視度の値そのものはまだ低いものの、経常利益の増加を見込む企業とそうでない企業での重視度の差は大きい。「先行した取り組みで他社と差をつけている企業が存在するIT活用項目」といえるだろう。

【次ページ】なぜTwitterで売上が向上しないのか?

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