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2011年12月01日

国士舘大学 講義「現代の産業と企業」レポート

元資生堂 執行役員が語る、資生堂のグローバルビジネス戦略 〜「海外メーカーにとっては、日本がベンチマークの場」

国内市場がシュリンクしつつある現在、メーカー各社はビジネスのグローバル展開を図るべく、しのぎを削っている状況だろう。こうした中、元資生堂 執行役員の東久保 和雄氏は「化粧品ビジネスは世界各地の文化や慣習などに大きな影響を受ける。グローバル戦略を推進する上で重要な点は、ターゲットにする地域ごとの特性を十分に知ることだ」と説く。では資生堂は具体的にどのようなグローバル戦略を持っているのだろうか? 国士舘大学で行われた東久保氏の講義をお届けしよう。

顧客セグメンテーションで分かる資生堂のグローバル戦略

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元資生堂 執行役員
東久保 和雄氏

 少子高齢化の進行や人口減少など、もはや国内市場の縮小は避けられない状況だ。日本企業の多くは、世界に活路を見出してビジネスのグローバル展開を図るべく、さまざまな施策を模索している状況だろう。こうした中、国内最大手の化粧品メーカーである資生堂は、具体的にどのようなグローバル戦略を描いているのだろうか? 国内メーカー・製造業をはじめ、多くの企業にとって示唆に富んだ内容を、元資生堂 執行役員の東久保 和雄氏が語った。

 現在、資生堂全体の売上げは横ばい状態だが、海外の売上げ比率はおよそ5割弱まで伸びており、海外マーケットの重要性がますます増している。そのため同社では、海外への展開を円滑に進めるべく、海外事業の最高責任者は外国人となっている。「海外進出における資生堂の理念は、文化的背景や生活習慣を理解し、その国に合わせた製品展開をすること。さらに品質・技術や“おもてなしの心”のようなオリジンとなる日本文化も取り入れている」と東久保氏は語る。

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海外進出における資生堂の理念。その国の文化的背景や生活習慣に合わせた製品展開と、日本文化を取り入れ、日本型のビジネスモデルを移植する


 また日本的なビジネスモデルも各国に合わせて移植している。たとえばチェーンストアや専門店による販売形態では、まず現地代理店を経由し、その後は現地販売子会社を設立する形だ。このようにして資生堂のグローバルビジネスは、米国、欧州、中東、アジア、オセアニアにおいて85か国までに拡大。商品にはグローバルブランドの最高級品「クレド・ポー」のような「世界共通商品」(別途マイナーチェンジする)や、最初からグローバル展開を見据えて「日本発売後に他国へ展開する商品」、中国の「AUPRES」のような「地域限定商品」という3つのパターンがある。

 資生堂には現在も数多くのブランドがあり、宣伝・マーケティング面での効果が薄れてしまうため、ブランドを整理して絞込みを始めているところだという。重要な点は「どのブランドを、どういったユーザー層に当てはめていくかというセグメンテーションだ」と東久保氏は語る。「従来はライフステージ、すなわち『年齢で区切ってブランド化すること』が主流だった。しかし海外では、『個人の価値観』によってブランド化を進めていく方向になっている」(東久保氏)。ブランドの当てはめもボーダレスであり、日本と海外で共通化したいと考えているという。

 そこで資生堂では、グラフの縦軸に「化粧行動」(洗練感〜シンプル)を、横軸に「美的感覚」(外見的美〜内面的美)を取り、グローバルな顧客のセグメンテーションを作成。「これらの結果からターゲット層を絞り込み、各々のブランドで独自の価値観を磨いたり、ブランドの重複をなくしたり、空白のセグメントなども探っている」と東久保氏は説明する。

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資生堂の主要ブランド構成。ここからさらにターゲット層を絞り込み、重複をなくしたり、空白のセグメントなどを探りながら、ブランドの価値を磨くという。


この記事の続き>>  歴史、風土、気候、宗教、生活習慣、伝統医学、法規制──
             地域の特性を十分に考慮・活用するグローバル展開を

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