【2011年11月30日 00時00分 更新】

コミュニケーションが変わる、消費が変わる

ソーシャルメディア革新(1):“ソーシャルメディアの鉄人”が消費を変える

利用者が8億人を超えたといわれるFacebook。人口だけで考えれば、中国、インドに次ぐ世界第3位の国家とみなすことさえできる規模に急成長した。電気/水道/ガスのライフラインに加えて、ITやインターネットも社会インフラになったといわれて久しいが、今やソーシャルメディアも1つのインフラといえる状況だ。本連載ではソーシャルメディアによって、何がどう変わるのかを追う。第1回は、ソーシャルメディアによって消費者同士のコミュニケーションがどのような変化したのかについて、野村総合研究所(以下NRI)の光谷好貴氏の解説を紹介する。

執筆:西山 毅

今後、企業の広告塔となり得る“ソーシャルメディアの鉄人”

 まずはじめにTwitter/mixi/Facebook各々の利用者数だが、NRIが“国内15歳以上のPC保有者で、直近1年間に各ソーシャルメディアに対して閲覧もしくは書き込みを行っている人”を対象に行ったアンケート調査の結果によれば、Twitterが約2000万人、mixiが約2100万人、Facebookが約970万人で、これら3つの利用者合計から重複を除いたユニークユーザー数は約3200万人になるという。

「この3200万人という数字は、15歳以上のPCネットユーザー 7300万人(注1)の43.8%に相当するもので、最大まで拡大した場合のポテンシャルは約6000万人、対PCネットユーザー普及率は82.2%にも上る」(野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 コンサルタント 光谷好貴氏)

 またTwitter/mixi/Facebookのすべてを使っているユーザー数は422万人で、光谷氏は彼らを“ソーシャルメディアの鉄人”と定義する。そして、彼らが情報取得/情報発信/フィードバックの各フェーズにおいて、鉄人と鉄人以外でどのような差があるのかを明らかにした。

 まず情報取得について、TVを情報源として利用する人の割合は、鉄人とそれ以外でも大差はない。一方SNSや、Twitterなどのマイクロブログを情報源として利用する人の割合は、両者の間に約16〜18ポイントもの開きがあった。

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図1 ソーシャルメディアの鉄人と鉄人以外:情報源の比較

(出典:野村総合研究所,2011)


 次に情報発信については、鉄人と鉄人以外で、発信している情報の内容にそれほど大きな差は見られないという。ともに発信情報の約7割が自分の近況や身近な出来事、残りの約3割が関心のある製品/お店/サービス/アーティストなどで、情報発信のテーマについても、レジャー/旅行、外食、CD/映画/雑誌/書籍が共に上位を占めている。

「ただしすべてのテーマに関して情報発信を行っている割合が高いのは鉄人。他の調査でも、鉄人は色々な場への書き込み数が非常に多い傾向がある」(光谷氏)

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図2 ソーシャルメディアの鉄人と鉄人以外:情報発信テーマの比較

(出典:野村総合研究所,2011)


 そして情報発信をした結果、どのようなことを感じているのかという点について、両者の差が大きいところを3つ挙げると、“情報が伝わる・拡散するスピードが早くなった”、“情報が1度に多くの友人・知人に広がった”、“これまで発信しなかった情報を発信するようになり、発信量が増えた”という各項目で、鉄人のほうが約12〜16ポイントも実感している比率が高いという結果になっている

「企業の視点から見れば、鉄人は自社の“広告塔”になり得る人たちではないか。こうした人たちをうまく味方に付けることが、今後、企業がソーシャルメディアを活用する際の大きな鍵になると考えられる」(光谷氏)

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図3 ソーシャルメディアの鉄人と鉄人以外:コミュニケーションの変化を感じる項目の比較

(出典:野村総合研究所,2011)



【次ページ】既存のコミュニケーション手段を代替し始めたソーシャルメディア

注釈
注1 総務省「通信利用動向調査」および「人口推計」からNRIが推計


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