• 2012/03/29 掲載

コンシューマインテリジェンスがビッグデータ活用を拡大させる

3つの先進ソリューションで新しい価値創出を促すテラデータ

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2011年半ばに新たに登場した注目キーワード「ビッグデータ」。2012年に入って、企業はいよいよその活用に本腰を入れ始めた。その際、活用の中核を担うテクノロジーの1つが、データを格納、保存するためのデータウェアハウス(DWH)だ。その最新動向を知る機会として、国内最大級のデータウェアハウス・コンファレンス「Teradata Universe Tokyo 2012」を取材した。同コンファレンスの基調講演では、一橋大学 イノベーション研究センター長の米倉誠一郎教授がデータ活用の重要性に言及するとともに、米テラデータ CTO(最高技術責任者)のStephen Brobst氏がビッグデータ活用のテクノロジーを詳解した。

顕在化したビッグデータによって、今後さらに重要性を増すデータ分析

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日本テラデータ
代表取締役社長
吉川幸彦氏
 ゼネラルセッションの冒頭に登壇したのが、日本テラデータ 代表取締役社長の吉川幸彦氏だ。吉川氏は、厳しい経済環境下にもかかわらず、企業間競争がさらに激化していると現状を俯瞰。そのような中で、いかにデータを活用し、差別化していくかということが重要になっていると指摘した。

「新潮流として注目されているのがビックデータ。企業内のデータ活用に加え、SNSやセンサーネットワークなど企業外にある非構造化データを含めて統合分析していくことが重視されはじめている。我々はこうしたビッグデータを簡便に分析できる環境づくりをお手伝いする。」(吉川氏)

 吉川氏に続いて登壇したのが米テラデータのPresident and CEO(最高経営責任者)のMike Koehler氏だ。Koehler氏は、「ある調査結果によれば、業績の優れている企業は、そうではない企業に比べて、データ分析の利用が5倍も進んでいる」と指摘、「データ分析の重要性は以前にも増して高まっている」と強調した。

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米テラデータ
President and CEO
Mike Koehler氏
 しかし現在のデータ分析には大きな課題があるともいう。データ量が爆発的に増加しているからだ。センサーやソーシャルネットワークといった新しいデータソースの出現でその傾向が強まり、多構造あるいは非リレーショナルのデータも数多く含まれるようになった。

 今後、テラデータは3つの分野に注力するという。1つめが従来からのデータウェアハウジングだ。ここではユーザー企業のデータ規模や活用レベルに応じたデータウェアハウスプラットフォームとして、「Teradataプラットフォーム・ファミリー」を提供している。

 2つめがビッグデータ活用の分野だ。ここについては2011年に買収した大規模データ分析技術を持つAster DataのSQL-MapReduce技術を使うことで、企業が使い慣れたSQL環境下でのMapReduceによるデータ分析を可能にした。

 そして3つめが、マーケティングおよび分析アプリケーションの分野だ。これは統合マーケティング管理のマーケットリーダであるAprimoを、やはり昨年買収したことで可能になった。

「3つのソリューションを組み合わせて活用することで、先進的な企業でなくてもビッグデータの分析が簡単にできるようになり、そこから新しい価値を創出することが可能となる。」(Koehler氏)

成長市場への進出でも内需掘り起こしでもデータ活用が重要

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一橋大学
イノベーション研究センター長・教授
米倉誠一郎氏
 続いて登壇した一橋大学イノベーション研究センター長・教授の米倉誠一郎氏も、データ分析の重要性について言及した。「昨年の東日本大震災を1つの契機に、今後日本はどうなっていくのか。それを考える上で巨大なデータは大きな意味を持つ」(米倉氏)と指摘、これから日本が目指すべき大きな方向性を2つ、提示した。

「第1にアジアなど成長のある市場に出て行くこと、第2に内需を丁寧に掘り起こすことだ。」(米倉氏)

 現在の日本のGDPは約500兆円で、うち我々が衣食住で消費する民間最終消費支出(個人消費)がそのうちの約6割(約300兆円)を占める。これはカナダ/韓国/スペイン3カ国の全GDPを合計した金額に相当する。

「国内マーケットが縮小していっているといっても、3か国に匹敵する消費規模がある。本当の消費者ニーズをマーケッターが掴み切れていないという実態もあるのではないか。たとえば高齢者は『老眼鏡』といわれれば買わないが、『リーディンググラス』といえば触手を伸ばす。これをしっかりと掘り起こすべきだ。その際にデータ分析は非常に重要となる。」(米倉氏)

 さらに米倉氏は東日本大震災後のエネルギー政策の転換に言及し、こうした歴史の変換点を見誤らずにその流れに乗ることが企業にとってもっとも重要だと強調した。

【次ページ】今後、BI機能の3分の2がモバイルで活用される

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