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  • 2012/09/21 掲載

営業力強化に向け、「標準化」と「間接業務の圧縮」を進める:企業成長をドライブする営業戦略(5)

A.T. カーニー 栗谷 仁氏/糸田 哲氏

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前回は、営業力を強化するための「実行課題の解決」として、付加価値のある活動をピックアップするために、営業の役割定義と生産性向上のための施策について触れた。第5回は、生産性を上げるという観点から、さらに重要となる営業プロセス自体の標準化と、付加価値のない間接業務の圧縮を中心に、『最強の営業戦略』(東洋経済新報社)の執筆者であるA.T.カーニーパートナーの栗谷 仁 氏と、同社の糸田 哲 氏に解説していただこう。

営業活動を標準化するために、営業プロセスのボトルネックを解消する

──営業活動の標準化に向けた進め方について教えてください。

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A.T. カーニー
パートナー
栗谷 仁 氏
 栗谷 仁 氏(以下、栗谷氏)■営業活動の標準化の意図するところは、各営業担当者のパフォーマンスのバラつきをなくし、全体的な営業力を底上げするということです。

 各営業担当者は知識・スキルの違いから、どうしてもパフォーマンスに差が出てしまうことは避けられません。ハイパフォーマーとローパフォーマーでは、活動内容に明らかな違いがあるのです。

 たとえばハイパフォーマーの場合は、顧客への訪問回数に比例して販売数量が増加しますが、ローパフォーマーの場合は訪問回数に関係なく、売れるかどうかは運任せということが多いのです。

 このような差を最小化するために、まずマネージャーが営業プロセスについてモニタリングし、ボトルネックを見つけて改善することから始めなければなりません(図1)。これは、次回のPDCAサイクルにも絡んでくる話です。ドアオープン、ニーズの把握、提案、クロージングという流れの中で、どこで誰が何に対してつまずいているのかという点を理解し、そのポイントごとにサポートしてあげることが、営業力の強化につながります。

画像
図1■ドアオープンから、ニーズの詳細確認、提案、クロージング、受注、アフターフォローまでの営業プロセスを見直し、どこにボトルネックがあるのか調べ、その改善を検討する

 初期段階のドアオープンからつまずいているなら、まったく何も始まりませんし、最後のクロージングもかなり難しいものです。顧客が何に困っているか、どんな障壁があるかを見極める能力は、経験を踏まないとなかなか身につけられません。つまずきやすい部分で管理者が手助けしてあげる必要があるでしょう。

 糸田 哲 氏(以下、糸田氏)■こうしたボトルネックの解消の話は、いろいろなケースで応用できます。B2Bだけの話ではなく、B2Cでも同様です。

 消費者はモノを手にして認知します。たとえば洋服であれば購入前に試着をしますよね。最終的な決定を下し、購入するという一連のプロセスの中で、どこでお客様が一番ドロップ(脱落)しやすいのか、他社に逃げてしまっているのかを定量的に測定することがよくあります。

 もし最初の認知度が弱ければ、試着さえしてもらえませんから、ブランドイメージを向上しなければいけません。すべての活動をプロセスとして作り直し、実際にどこで顧客が流出・脱落しているのか、それを調べることが基本になります。たとえばクルマなどは、ショールームにやってきて、一度でも試乗すれば購入に結び付くことも多い。どこに購入を引き出すボタンがあるのか、それを見つけるために定量的な測定を実施して分析しておくわけです。

【次ページ】営業活動を標準化する具体的な方法やツールとは?

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