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  • 2012/10/12 掲載

知られざるアメックスの感動体験へのアプローチ:顧客ロイヤルティを測るNPSを導入

アメリカン・エキスプレス・サービス・アカデミー

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先ごろNPO法人ETICの主催により開催された「アメリカン・エキスプレス・サービス・アカデミー」。これは、アメリカン・エキスプレスが同社の理念に基づきETICと独自開発した、社会起業家を対象とするサービス強化を目指した研修プログラムの一環だ。その中で、アメリカン・エキスプレス・ジャパンの萬年 良子氏を迎えて、「カスタマー・エクスぺリエンスへの挑戦」と題した講義が行われた。一流を目指すサービス企業にとって、同社の顧客に対する考え方と姿勢は参考になるだろう。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

世界で最も尊敬されるプレミアム・サービスブランドになるための要素

 アメリカン・エキスプレスは、世界に200以上の加盟ネットワークがあり、カード取扱高8220億ドルを誇るグローバルブランドとして有名だ。6万人を超える社員数だけをみても大企業というイメージが強い。しかし、その業務内容をみると、いかに最良のサービスを顧客に提供していくべきか、その追求を愚直に実行してきた企業だといえる。

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アメリカン・エキスプレス・ジャパン
ワールド・サービス・ジャパン
副社長 萬年 良子氏
 アメリカン・エキスプレス・ジャパンでコールセンター業務を統括するワールド・サービス・ジャパン 副社長の萬年 良子氏は「162年前にブランドを立ち上げ、事業内容は変われど、一貫してカスタマーを中心に考えてきました。我々のビジョンは、世界で最も尊敬されるプレミアム・サービスブランドになることです」と説明する。

 しかし、実際に顧客から尊敬されることは本当に難しい。同社では、このビジョンを成功に導くために実践している4つの要素がある。それは「顧客の定義」「顧客の望む商品」「顧客に響くコミュニケーション」「卓越した顧客サービス」だ。まず自分のお客様がどういう方なのかを知り、そのニーズを的確に把握し、うまくコミュニケーションをとって、常に最上のサービスを提供できるようにすることが重要だという。

 同社では最近、顧客サービスについてアンケートを取った。その結果、「過去によいサービスを提供され、他社よりも高い金額を払ったことがある」が37%、「悪い顧客サービスを体験した際は、いつも、もしくはときどき他人に伝える」が82%という回答を得た。

 つまり、良いサービスを体験すれば、それに見合った対価を支払っても構わないと思う人が約4割近くもいるが、逆に悪いサービスを受ければ8割以上の人がその噂を広げるということだ。いかに良いサービスを提供することが大切か、そして口コミの影響が大きいかがよく分かる結果だ。

 では、よいサービスとは何だろうか? たとえば24時間365日営業という形態は同社が最初に始めた。カードで購入したものを破損した場合に、プロテクションを付けたのも同社が初めてだ。だが、こういったサービスはすぐに真似される。

他社が真似できない“カスタマー・エクスペリエンス”が重要

 その一方で、真似できないものもある。萬年氏は「それはお客様が感じるエモーショナルなブランドへの思いです。1850年から築き上げてきたブランドに対して、お客様はお金を払ってくれる。我々は、尊敬されるプレミアム・サービスブランドの約束を果たさなければなりません。そして“カスタマー・エクスペリエンス”(Customer Experience)が重要です」と断言する。

 カスタマー・サービスという言葉は耳にするが、カスタマー・エクスペリエンスとはどういうことか。

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