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  • 2012/10/25 掲載

Windows8はPC業界の救世主になれるのか?メーカー5社とMS・インテルの意気込み

スペック一覧のまとめでひとまず理解

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いよいよ発売が迫る新しいOS・Windows 8。近年、iPhoneやiPad、Android端末など、スマートフォンやタブレット端末群に押されて、PCの世界も大きな変化を迫られている。Windows 8の発売に合わせて、国内でも新たなUltrabookが市場に続々と投入されているようだ。主要メーカーやマイクロソフト、インテルは意気込むが、厳しい見通しを示す専門家もいる。本稿では、NEC、ソニー、東芝、パナソニック、富士通といった国内主要PCメーカー5社の社長らのPC販売戦略、インテル、マイクロソフトが語った見通しを紹介する。また、その後発表された各社のWindows 8のフラッグシップノートPCについても簡単にまとめた。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

PCとタブレットの二役を担うコンバーチブルが市場を牽引

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(左から)インテル 取締役 副社長 宗像 義恵氏、NECパーソナルコンピュータ 代表取締役社長 高塚 栄氏、ソニー VAIO&Mobile事業本部 副本部長 萩原 崇氏、東芝 デジタルプロダクツ&サービス社 副社長 村戸 英仁氏、パナソニック AVCネットワークス社 ITプロダクツビジネスユニット ビジネスユニット長 原田 秀昭氏、富士通 執行役員 ユビキタスビジネス戦略本部 本部長 パーソナルビジネス本部 本部長 齋藤 邦彰氏、日本マイクロソフト 執行役 常務 コンシューマー&パートナーグループ担当 香山 春明氏。モデレータは日経BP社 日経パソコン編集長 中野 淳氏。
 CEATEC JAPAN 2012において開催されたパネルディスカッションで口火を切ったのは、Ultrabookのコンセプトを提唱したインテルの宗像義恵氏だ。Ultrabookは、18mm以下(13インチ)で薄型・軽量化、最新プロセッサー、7秒未満の高速起動、約8時間の長時間バッテリー駆動でモビリティーに最適なPCが条件となっている。

 いまPC市場では薄型ノートPCが中心となっており、Ultrabookはすでに70機種以上が国内で発売され、年内には140機種を超える製品が出揃う。

「Ultrabookは、ベストなPCであり、かつベストなタブレットとして、一台二役を担う革新的な“Ultrabookコンバーチブル”へと向かう。タブレットの手軽さと、ノートPCの操作性の両者を妥協せずに追求することで、より優れたユーザー体験を提供するステップへと進化するだろう」(宗像氏)

 たとえば次のステップでは、コンパーチブルやタッチ機能はもちろん、将来的には音声認識、ジェスチャー機能を搭載したPCに変貌を遂げるという。そしてUltrabookをさらに進化させる要素技術として、2013年に投入される第4世代インテルCoreプロセッサーも挙げられる。

 宗像氏は「第2世代のそれよりも消費電力を20分の1に抑えて利用できるため、さまざまなUltrabookの可能性が広がっていく。」と強調する。

超軽量の新機種が注目のNECと、家電との連携を強化するソニー

 ではPCメーカー各社の最新動向はどうなっているのだろうか?

 昨年レノボと合弁会社を設立したNECパーソナルコンピュータの高塚 栄氏は「合弁によってサービスとサポートを充実させ、より魅力的な製品を投入できるようになった。その1つの証が、世界40ヵ国を驚かせた最軽量13.3型で875gの“NEC LaVie Z”だ。Windows 8に対応するだけでなく、さらに新たな世界一を狙うLaVie X(※未発表)、LaVie Y(※360度開くWindows RTノート / タブレット)を開発し、サプライズと感動を与えたい。」と意気込みを語った。

 同社はWindows 8によって、PCのキーボード・マウスと、タブレットのタッチに横たわる操作性の断絶をなくし、同一環境で利用できるタッチモデルを積極的に展開する。さらにWindows 8から採用されるタッチ向けアプリ「モダンアプリ」を取り入れ、クラウドとの連携を深めて、ユーザーの利便性を向上したい意向だ。

 また、同社ではコンシューマー市場のみならず、ビジネス市場にも力を注いでいる。ビジネスPCでは、省エネを実現するECO機能を基本に据えながら、業務効率アップとコストダウンに貢献するタブレット機能も重視していく方向という。

 ソニーも同様にタッチモデルの強化を急ぐと同時に、他の機器やサービスとの連携を模索している。同社ではWindows 8を搭載した5タイプのタッチモデルを投入。これらの中で特にユニークなPCが「VAIO Duo11」と「VAIO Tap20」だろう。VAIO Duo11は、通常ではノートPCだが、「Surf Slider」と呼ばれる方式を採用し、ディスプレイ部をスライドさせることでタブレットに変身するハイブリッドPCだ。この端末にはペンも付属しており、手書き入力も可能だ。

 一方、VAIO Tap20は、バッテリーを搭載した可変式フリースタイルのスタンドを採用し、10点マルチタッチ対応の20インチ液晶ディスプレイを可搬できるテーブルトップPCだ。直立に近い通常状態では、キーボードとマウスを併用したデスクトップ機として利用し、スタンドを浅い角度に傾ければ、タッチ中心のタブレットになる。

 ソニーの萩原崇氏は「さらにフラットに倒せば、複数のユーザーで画面を囲んで使えるようになる。家族や友人で一緒にゲームをしたり、情報をシェアすることができる。まったく異なるコンセプトを盛り込んだモデルだ。」と自信を見せる。

 他の家電製品やサービスとの連携を見据え、同社のネットワークストレージ「nasne」(ナスネ)に対応し、VAIOでTV番組の視聴や録画を可能にしている点も特徴の1つだ。

【次ページ】その後発表された各社のWindows 8フラッグシップPC

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