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2013年08月05日

70℃の熱や走行自転車からの落下に耐えるか?

スペックでは読み取れない、モバイルPCの堅牢性──7つの過酷な実験を動画で見よう

薄型軽量で持ち運びやすいモバイルPCは、ビジネスの強力な味方となる。特に外回りの多い営業マンなどは、ビジネスモバイルPCを選ぶ際、軽さを最重視して選択する人も多いだろう。しかし、薄くて軽いという長所は、故障のリスク増大にもつながる。実際、ノートPCを壊してしまうケースは意外と多いものだ。頻繁に持ち運ぶなら、「堅牢性」にも目を向けておく必要があるだろう。そこで本記事では、ビジネスシーンで起こりうる事態を想定しつつ、HP EliteBook 2170p Notebook PCを用いてメーカー保証外の過酷な堅牢性テストを7つ行い、実際に検証してみた。

(本実験は、ソフトバンク ビジネス+IT編集部が実施しています)

ビジネスモバイルPCの堅牢性を軽視していないか?

 薄くて軽いモバイルPCは、外出の多いビジネスマンにとって心強い味方だ。最近では驚くほど薄く、軽い製品も登場している。頻繁に持ち運ぶことを踏まえて、「軽さ」を最も重視してモバイルPCを選ぶ人も少なくないはずだ。しかし、そうした薄型化や軽量化のために犠牲になっている部分はないのだろうか? ビジネスに導入することを考えると、特に気になるのが堅牢性だ。

 ともすれば軽視されがちな堅牢性だが、ビジネスで使うにあたっては欠かせない要素だ。普通に家や会社、あるいは取引先で使うことを考えるだけでも、堅牢性の重要さは容易に想像できる。何らかの過失で衝撃や振動を与えてしまっても、故障してしまい業務をロスする可能性がきわめて低いとなれば、さまざまな場所で使用する「業務の道具」として気兼ねなく使え、生産性も上がるというものだ。逆に、いちいちボディの保護に気を遣っていては、業務に集中できず、生産性の低下を招くのは想像に難くない。

 薄型軽量でどこにでも持ち出せるというモバイルPCの長所は、そのまま故障のリスクが増大することにつながる。薄型軽量だからこそ満員電車などの移動中に圧力や衝撃がかけられる機会も多くなるし、薄型軽量だからこそ、普通のPCは持ち込めないような場所に持ち出して使われることもあるだろう。

 つまり、薄型軽量で機動力が高いほど、堅牢性というのはより強く求められる要素になってくるわけだ。ビジネスにおいてモバイルPCの薄型軽量という魅力を最大限に生かすには、堅牢性は必ず要求される要素であり、最優先でチェックすべき項目と言っても過言ではない。

堅牢性における究極の指標「MIL規格」とは

 もちろん、各社とも堅牢性は意識しており、天板に加重をかける加圧試験や落下試験の内容などを公表している。しかし、その基準は各社ごとにバラバラであり、詳細なテスト内容が分からないことがほとんどである。たとえば、「高さ75cmからの落下テスト」というところまでは書かれているが、床の材質や状況、落下時の本体の向き、試行回数などといった詳細な内容まで公表されていないので、実際のところどこまで堅牢性があるのか、はっきりとはイメージできないところがあるのだ。

 そんな中、かなりの堅牢性を要求する統一指標として有名なのが、MIL規格だ。MIL規格とは、米国防総省(DoD)が制定する、米軍の物資調達に必要な基準を定めた規格の総称だ。工業製品の環境耐性を示す試験方法をまとめたものに「MIL-STD-810G」という規格がある。

 MIL-STD-810G規格書は、米国防総省のドキュメントデータベースを通じてPDF形式で公開されており、誰でも入手することが可能だ。規格書は全840ページにもおよび、高温、低温、温度変化、湿気、雨、かび、振動、衝撃などの環境下において動作できるかどうか、テスト内容が書かれている。

 たとえば、「Method514」は振動(Vibration)に関する規定だ。米軍での運用上どんなシーンで振動が想定されるか、そして振動によって機器のどのような部分にどのようなダメージがもたらされるかといったことに触れつつ、テストに必要な条件や段階的なテスト手順が提示されている。その中の「Procedure II」は、不規則な表面を横断する乗り物(トラックやトレーラー等)に載せて陸上輸送されることを想定したテストで、荷台の上で弾んだり、他の積荷や乗り物と衝突したりといったことも含めた内容となっている。「Procedure IV」では自由飛行を行う固定翼航空機(戦闘機をイメージしていると思われる)や地上/海上発射ミサイルへの積載も想定したテストも行なわれるという。

 このように、MIL規格準拠ということであれば、だれでもテストの詳細内容を知ることができる。詳細がわからないメーカー独自テストに比べて、より信じるに足る要素といえ、安心感が高いということができる。

表1■MIL-STD-810Gの主なテスト内容
テスト概要
振動車両による1,600kmの陸上輸送に相当する振動を与える
落下76cmの高さから、26方向(各面、角、辺)にて厚さ2インチの合板上に落下させる
衝撃1軸1方向あたり3回(合計18回)の衝撃を与える
粉じん吹き付ける塵に6時間晒す
湿度湿度95%の環境に10日間晒す
高度高度4570mでの操作を再現する
高温動作時60℃、非動作時71℃の高温環境に晒す
低温動作時-28.89℃、非動作時-51℃の低温環境に晒す
温度変化1分あたり10℃を超える急激なペースで温度変化させる

堅牢性を実際に検証! ビジネスシーンで起こり得る最悪のケースを想定

photo

今回実験に使用したHP EliteBook 2170p Notebook PC。11.6型液晶を搭載した約1.3kgのコンパクトボディは、マグネシウム、アルミニウムのハイブリッドシャシーを採用。米軍の調達基準「MIL810G」テストをクリアするほどの耐久性を誇ると謳うが、その実力は?

 そして、このMIL規格(MIL-STD-810G)をクリアしていると謳っているモバイルPCがある。日本HPの法人向けノートPC、EliteBookシリーズだ。Webページでは、米国での試験風景を動画で見ることもできる。

 HP EliteBookシリーズが、米国防総省が定めた米軍の資材調達基準MIL-STD-810Gのテストをクリアしているならば、かなりの耐久性と信頼性を備えていることは想像できる。しかし一方で、MIL規格は米軍を想定しているため、実際のビジネス利用で想定されるアクシデントにどのくらい耐えられるのかは、なかなかピンと来ない実験が多いのも事実だ。

 そこで、実際にHP EliteBook 2170p Notebook PCを用いて、現実のビジネスシーンを想定した実験をいくつか行ない、その実力のほどを確かめてみた。HP EliteBook 2170p Notebook PCは、11.6インチの液晶パネルを搭載する質量約1.3kgのモバイルノートPC。CPUやメモリ、HDD容量などはカスタマイズできるが、今回はCPUにCore i5-3427U(1.8GHz)、メモリ2GB、ストレージはHDD 320GBといった構成のモデルを使用している。実施する実験内容は表2にまとめた。

表2■今回の実験内容
想定場面実験内容
1デスクで仕事中にPCが落下する動作中のPCを70cmの机から床(カーペット)に落とす
2自転車で移動中にカゴからPCが落下する自転車走行中に非動作時PCをアスファルト道路へ落とす
3電車の網棚からPCが落下する180cmの高さから非動作時PCを床(カーペット)落とす
4満員電車で押される(約100kgの圧力がかかるという)人間の体重と水入りペットボトルを利用して天板の上に100kg載せる
5PCを持って外出中突然の土砂降りに遭う霧吹きで非動作時PCにまんべんなく水をかけ、ふきとった後に起動する
6暑い日に営業車の中にPCをうっかり放置する周辺温度70℃の環境に1時間放置した後に常温で起動する
7中身がスカスカのスーツケースで飛行機出張スーツケースにPCのみを入れて100回回転(振動)させる

 なお、本実験はメーカー保証外のかなり手荒なものがほとんどだ。同じ実験や体験をした場合に、必ずしも動作を保証するものではない。本記事を読んで行なった行為によって生じた損害は、筆者およびビジネス+IT編集部、メーカー、購入先もその責を負うことはできないので、注意していただきたい。

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