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- 2013/07/09 掲載
大手保険会社AIGグループのWeb最適化への取り組み、何をすれば成約率が上がるのか
「テストツールを活用しないWebサイト運営はあり得ない」
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
Web最適化ソリューションを使ってテストを行う3つの理由
同社では2007年に、Adobeの提供するWeb最適化ソリューションのTest&Target(当時は他ベンダの製品)を導入した。セグメンテーションやターゲティングを実現するもので、A/Bテストなどを通じてサイト来訪者の特性に応じたコンテンツをテストすることができる。
当時は担当者レベルの導入で、簡単なクリエイティブのテストなどを行っていたが、導入の翌年にリーマンショックが起こり、マネジメント層からこのツールの利用価値について疑問が投げかけられ、一回解約になったという。
「こうしたツールを導入する際には、周りを巻き込みながら進めることが重要だ。そうでなければ、なぜこれが必要なのかという話が出てきて、残念な結果を迎えることになる。」(アップルビー氏)
その後2010年に、Web解析ツールのAdobe SiteCatalystを導入、これを受けて2012年にTest&Targetの再導入を果たした。
第一は、クリエイティブ変更の評価時に“外部要因を除外”するためだ。たとえばサイトの変更前/変更後のCVR(=コンバージョンレート)を比較したいとき、テストツールがなければ、既存のサイトを変更してテスト用のサイトを立ち上げることになる。
「しかしテストサイトの立ち上げ後に何らか外部環境に変化が起こったとき、それがCVRに影響を与えないとも限らない。これでは変更前/変更後の結果を同じ条件で比較したことにはならない。同じタイミングでA/Bテストという形で実施するのが望ましい。」(アップルビー氏)
第二は、“変更の結果が可視化できる”ことだ。テストした各クリエイティブのCVRを数値として把握でき、それによって実際の売上がどれぐらい変わったのかまで確認することが可能となる。
「マーケティング施策の変更がビジネスに貢献していることが分かれば、次の予算申請時のハードルも大きく下がる。」(アップルビー氏)
そして第三は、“関係者の主観性を最小化”できること。
「どのようにサイトを変更するかについては、さまざまな意見が出てくる。そのときにツールを使うことで、何が本当にいいのかを客観的に見ることができる。」(アップルビー氏)
【次ページ】既存ページと比べてCVRが8.23%アップ
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