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  • 2013/10/02 掲載

テレビ朝日が語る、Amazonクラウドによるテレビ視聴情報というビッグデータ基盤の構築

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メインのコンテンツ提供メディア(=ファーストスクリーン)と連携し、新たなコンテンツやサービスの提供場所となる“セカンドスクリーン”。テレビ朝日では、テレビをファーストスクリーンに据え、スマートフォンやタブレット端末をセカンドスクリーンとして捉え、そのシステム基盤をAmazon Web Services(AWS)上に構築した。その取り組みと導入メリットについて、AWS Cloud Storage Dayで登壇したテレビ朝日の松下剛氏は、Amazon EC2やS3、SQS、EMRなどの活用法を赤裸々に語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

番組をより面白くするための「セカンドスクリーンサービス」

photo
テレビ朝日
コンテンツビジネス局
コンテンツビジネスセンター
通信技術班チーフ
松下 剛 氏
 テレビ朝日のセカンドスクリーンに対する取り組みは、8~9年前にさかのぼる。当時は“クロスメディア”という言葉で語られていたものだ。たとえば“テスト・ザ・ネイション 全国一斉IQテスト”という番組では、視聴者に携帯電話やPCのネットワーク、あるいはデータ放送経由でテストに参加してもらい、視聴者は番組終了後に自分のIQが分かる、という仕掛けを作った。

「しかし当時はスマートフォンも普及しておらず、フィーチャーフォンの限られた表現力の中でサイトを作っていた。またデータ放送も地上波の完全デジタル化前で結線率も低かった。我々は非常に限られた環境の中で、セカンドスクリーンサービスを展開してきたという歴史がある。」

 その後、スマートフォンやタブレット端末が爆発的に普及し、その中でソーシャルネットワークサービス(SNS)が大きく広がってきた。また地上波の完全デジタル化が実現し、テレビがインターネット回線につながるようにもなった。さらには一般視聴者のITリテラシーも向上してきている。

「こうした環境変化の中で、番組をより面白く、より楽しんでもらうために、どのようにサービスを提供していくのかを考える時代になってきた。」

3つの課題を解決するため、Amazonクラウド上に基盤を構築

 同社にとってのセカンドスクリーンはスマートフォンやタブレットで、松下氏はセカンドスクリーンサービスの展開に当たっては、(1)サービス基盤の構築、(2)視聴者を集める、(3)視聴者を知る、という3つのポイントがあると強調する。このうち本稿では情報システムに関係する(1)サービス基盤の構築と(3)視聴者を知るの2つに焦点を当てて見ていくことにする。

 まずサービス基盤の構築について、同社の提供するセカンドスクリーンサービスは「テレ朝Link」という名称で、テレビとスマートフォンを連動し、視聴者にリアルタイムで番組に参加してもらおうというものだ。このサービスを実現するに当たり、同社では「LINK:s(リンクス)」という名称のシステム基盤を自社開発した。

「テレビ局の中では非常に珍しいと思うが、実は我々は社内にちょっとしたITベンチャー企業ぐらいの開発体制を持っており、常駐、非常駐のスタッフを含め、十数名のプログラマがいる。簡単なシステムであれば内部で、大きなものはITベンダと協力しながら開発している。本件では、自社開発するという選択をしても何とかやっていけるだろうと判断した。そのほうが自由度とスピードを優先することができる。」

 このリンクスには、大きく6つの機能が搭載されている。それは、高負荷アクセス制御機能、リアルタイム番組連携機能、リアルタイム高速集計機能、TV Check in機能、視聴情報ビッグデータ管理機能、SNS連携機能で、同社はこれをAWS上で構築した。松下氏はその理由を「トラフィック対策、インスタントキャパシティ、リアルタイム処理という3つの課題を解決するため」だと語る。

【次ページ】視聴情報というビッグデータを分析する

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