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2013年12月20日

連載:あの業界のグローバルランキング

鉄鋼業界の世界ランキング:1強ミタルと連携深める新日鐵住金 新興国ブームが一服

本連載では、さまざまな業界を俯瞰すべく、世界のトップ企業をランキング形式で紹介する。今回は「鉄鋼業界」。粗鋼やさまざまな鋼材などを生産する鉄鋼業界では昨今、世界的に生産能力過剰が深刻になっている。合従連衡が進む中で業界ランキングの上位には中国企業が目立つ。しかし同時に、中国企業の過剰な生産能力が、世界的な生産能力過剰の一因ともなっている。2000年以降の新興国ブームが一服し、事業構造の変革が求められる中、新日鐵住金やJFE、神戸製鋼所といった日本企業はどういうポジションにいるのだろうか。

執筆:宮島 理

深刻な生産能力過剰に悩む鉄鋼業界

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 戦後の「Iron & Steel(鉄鋼)」業界は大きく2度のブームに沸いてきた。最初のブームは戦後の復興期だ。世界の粗鋼生産量は、1950年の約2億トンから1970年には約6億トンにまで急増。背景には西側諸国における経済成長があった。

 その後、1970年から2000年頃までは7〜8億トンで停滞するも、2000年の8億4900万トンから2012年には15億4700万トンと、再び急成長を遂げている。新興国の爆発的な成長力が、世界の粗鋼生産量を引き上げてきた。

 ところが近年は、こうした新興国ブームの反動が起きている。つい最近までBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)などともてはやされた国々の中には、今では「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」(ブラジル・インド・南アフリカ・トルコ・インドネシア)と呼ばれ、米国の金融政策次第で通貨危機に陥ると危惧されている国もある。

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 鉄鋼業界においても、新興国ブームの一服により、深刻な生産能力過剰が問題となっている。世界の鋼材需要に対し、生産能力過剰は約33%にものぼる。

 そんな中、日本の新日鐵住金がルクセンブルクのアルセロール・ミタルと共同で、ドイツ鉄鋼大手が米国に持つ自動車用鋼板工場を買収することとなった。新興国に比べてこれまで手薄だった北米市場での供給体制を強化し、日系メーカーに向けて鋼板を供給していくという。

 新興国偏重からシフトしている鉄鋼市場、いま日本企業は世界ランキングでどのようなポジションにいるのか。以下が世界の鉄鋼業界ランキングだ。

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世界の鉄鋼業界の粗鋼生産量ランキング


No.1のミタルとNo.2の新日鐵が連携深める

 自動車用鋼板工場の買収を、業界ランキングで言えば、第1位のアルセロール・ミタル(粗鋼生産量9360万トン)と第2位の新日鐵住金(粗鋼生産量4790万トン)の連携が深まったということになる。アルセロール・ミタルは業界の1強状態であり、2000年以降の新興国ブームでも果敢な拡大路線によって規模を大きくしてきた。しかしグラフからもわかるように、世界的な需要低迷を受けて、近年の粗鋼生産量は微減となっているうえに、利益もマイナスと振るわない。

 2006年にルクセンブルクのアルセロールとオランダのミタル・スチールが合併してできたアルセロール・ミタルは、ミタル・スチールを創業したインド系のラクシュミー・ミタルが会長兼CEOを務めている。ロンドン在住のラクシュミー・ミタル会長兼CEOは、2012年のロンドン五輪を記念して「アルセロール・ミタル・オービット」と呼ばれる奇怪なタワーを建てたことでも話題になった。

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アルセロール・ミタルの業績推移


 一方の新日鐵住金は、2012年に新日本製鉄が住友金属工業と合併してできた会社だ。M&Aによって規模を急速に拡大させてきたアルセロール・ミタルに対し、新日鐵住金は長年培われてきた高い技術力が光っている。

 そのルーツは官営八幡製鉄所にまでさかのぼる。この八幡製鉄所が1934年に日本製鉄となり、戦後の財閥解体で八幡製鉄と富士製鉄となる。その後、1970年に両社が合併して新日本製鉄となり、日本を代表する企業の1つとしてその地位を保ってきた。

 上述した北米市場以外にも、新日鐵住金はグローバル展開を強化している。2017年度頃までには自動車エンジン部品向けステンレス材の生産を2倍にすることで、欧州市場への供給を拡大していく方針だという。また収益力の強化を目指し、2013〜15年度の中期経営計画では3年で約20億ドル(2,000億円)超のコスト削減目標を打ち立てている。

【次ページ】なかなか構造改革が進まない中国メーカー

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