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2014年03月24日

イオンのO2Oは効果があったのか? Eコマース事業最高責任者が考えた8つの仮説と結果

2013年12月に幕張新都心に巨大なショッピングモールをオープンさせたイオン。2013年2月期の年間売上高は約5兆6,853億円で、国内小売業でトップの座を保持している。その一方、イオン Eコマース事業最高経営責任者の小玉毅氏は「WebやITの分野では非常に遅れていることを痛感している」との思いから、2012年8月、新たなEC基盤を構築してその上に「イオンスクエア」というポータルサイトを立ち上げた。その時に小玉氏は、Eコマースでは最後発に当たるイオンが新しいWebビジネスを成功させるために考えるべき8つの仮説を立てたという。それは一体どのようなものだったのか。またその結果は。

執筆:西山 毅

リアル店舗の存在はWebビジネスでの競争優位になるのか

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イオン
Eコマース事業最高経営責任者
小玉 毅 氏

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 イオンでは2011年から3か年の中期経営計画の中で、4つのシフトを推進していくことを決めた。各々、デジタルシフト、アジアシフト、大都市シフト、シニアシフトだ。

 このうちのデジタルシフトに関係する施策の1つが「イオンスクエア」だ。アカマイ・テクノロジーズ主催のAkamai Enterprise Conference 2014で登壇した小玉氏は、「イオンでは年間25億人のお客さまがレジを通過するが、このお客さまをどうやってネットワーク化するかというのが私の使命」だと語り、「リアルなショッピングモールにおけるイオンの社会的な意義や価値を、どうやってWebの場に移植するかについても考えている」と強調する。

 そこでEC用の新たなグループ共通基盤を作り、その上にグループ各社のサイトを集約して、IDやポイント、決済方法などの統合を図っていくことを目指し、さらにイオンスクエアというポータルサイトによって集客し、その顧客をEコマースやリアル店舗へ送客するための仕組みを構築した。

「私はリアル店舗一筋で二十数年間、生きてきた。私のような店舗主義者が、どうやってWebビジネスに取り組み、成功に導いていけばいいのか。それを考える上で8つの仮説を立ててみた」

 まず1つめの仮説は「店があることは競争優位性の源泉だ」というものである。

「私はそれを信じて疑わなかったが、実際に色んな作業をしてみると、本当にそうなのかというのが率直な印象。これはまだイエスともノーも言い難い」

 たとえばイオンスクエアの開設時には、会員数700万人からスタートさせることができた。その背景にはリアル店舗の現有資産、具体的には国内で約2300万枚発行しているイオンクレジットカードや、約3000万人の会員を持つ電子マネー「WAON」があり、それらからの会員移行ができたからだという。

「しかしリアルの小売業では、Webビジネスの優先順位が下がっていく傾向が非常に強い。この3年間でも、社内での“共食い”を恐れる風土や、圧倒的にシェアが高いリアル店舗だけでいいじゃないかという声が出てきている。こうした発想を転換していくことは非常に難しい作業だ。リアル店舗の存在が競争優位性の源泉になっているとは必ずしも言えないということを、逆に自分に言い聞かせて仕事しなければダメだと感じている」

来店が難しいお客さまがネットで購入するのか?

 2つめの仮説は、「来店が難しいお客さまがネットで購入する?」というものだ。

 小玉氏は、この仮説にはかなり確信を持っていたというが、実際の利用者データを分析してみたところ、これも大きく違っていた。オンラインで買い物をする顧客は、ほとんどがショッピングモールの近隣に住むユーザーだった。

「Webを使うことで、店舗のないエリアのお客さまを獲得したいという願望を持っていたが、実は違った。そこで我々は大きく方向転換を図り、オムニチャネル化に徹底的に取り組むことを第一に考えることにした」

 3つめの仮説は「ネットスーパーは働くママがよく使うに違いない」というものだったが、これもまったく実態が違い、ほとんどが子育て主婦、専業主婦だった。

「直接ヒアリングして分かったことだが、私たちのネットスーパーでは品物をお届けするための待ち時間を18時〜21時というように3時間単位でお願いしている。しかし“働くママ”からすれば3時間はとてつもない苦痛の時間。そこでネットスーパーで買った品物を配達するのではなく、店舗で受け取ることができる仕組みを考えた。イオンのショッピングモールには大体広い駐車場が付いているので、仕事の帰りに車で来店していただき、すぐに受け取ることができるサービスを実験している。これは非常に評価が高い」

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