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2014年03月31日

JAXA産業連携シンポジウムレポート

津田 大介氏、夏野 剛氏らが激論 身近な宇宙技術を活かしたビジネスモデルとは?

JAXAによると、2013年1月時点で世界各国が打ち上げてきた人工衛星の数は7000個を超え、現在も約3500個以上が地球を周回しているという。これらから得られた衛星データの利活用など、宇宙開発利用を促進するには、どのような仕掛けが必要なのだろうか。JAXA産業連携シンポジウムのセッションでは、ジャーナリストの津田大介氏をモデレーターに迎え、教育界や産業界、JAXAを代表するパネラーたちが意見をぶつけ合った。

執筆:谷崎朋子

衛星データを活かしたビジネスは実現可能?

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ジャーナリスト
津田 大介氏

 人工衛星には、天文観測衛星や月・惑星探査機、通信・放送衛星、地球観測衛星、測位衛星などがあり、特に後者3つは、私たちの生活や社会インフラを支える重要な役割を果たしている。こうした衛星のデータを社会問題の解決やビジネスで戦略的に利用していこうという取り組みが世界各国で始まっている。

 1月27日に開催されたJAXA産業連携シンポジウムでは、宇宙開発利用や産業連携を加速化させるためのヒントを探るパネルディスカッションが2つ行われた。その1つであるセッション2では、JAXAが募集した「2020年をイメージした衛星データ利用ビジネスのアイディア」の中から選抜3チームが発表を行い、その後に各界の識者が議論を深めた。

 発表チームと概要は、次のとおり。

野菜栽培シミュレーションゲーム「らいとふぁ〜みんぐ」
(HAL東京 先端ロボット開発学科代表チーム)
 人工衛星から取得した気象情報や土壌データを反映させ、リアルに近い野菜栽培シミュレーションを楽しむゲーム。栽培記録はビッグデータとして集約し、実際の農業での知見として活用できるようにする。このほか、野菜の擬人化やキャラクター展開などで若い世代の就業増加も狙う。

地球観測衛星を用いた太陽光発電システム促進サービスの提案
(TIS 早瀬亮氏)
 ビルの影の影響や日照率などを衛星データを使ってシミュレーションし、太陽光発電システムの費用対効果などを算出するサービスの提案。太陽光発電への不安を払拭し、クリーンエネルギー促進を支援。

宇宙インフラを使って交通事故を減らす
(東京大学 空間情報科学研究センター 大平亘氏)
 自動車に全地球航法衛星システム(GNSS)の受信機を搭載し、走行状況と交通規則を照らし合わせて交通取り締まりを行う。このことにより運転手の安全運転に対する意識を高め、交通事故を減らす提案。さらに車の走行記録情報は様々な利用、経済波及効果をもたらすことを期待できる。

 以上の発表を受けてスタートしたパネルディスカッションだが、冒頭でJAXA産業連携センター 企画グループ 副グループ長の佐藤伸子氏は、JAXAの立ち位置の悩みを明かした。

【次ページ】衛星データ利用の問題点を、夏野氏がズバリ指摘

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