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2014年06月02日

「注目の新興市場はイラン、メキシコ」 イアン・ブレマー氏が語る、世界4大メガトレンド

4月25日、「PwC グローバルメガトレンドフォーラム」が実施された。スペシャルセッションでは、ユーラシア・グループ社長で国際政治学者でもあるイアン・ブレマー氏が登壇。「世界の10大リスクとGゼロ後の世界」と題して講演を行った。「Gゼロ」とは、日米欧の主要7カ国で構成するG7、新興国を加えたG20が機能しない主導国のない世界を意味するブレマー氏が提唱した言葉だ。ブレマー氏は、2008年から2013年までの世界における経済危機を振り返るとともに、2014年以後に注意を払うべき諸問題について語った。

執筆:井上健語

2008年〜2013年のメガトレンドは経済、今後のメガトレンドは地政学的問題

photo

米ユーラシア・グループ
社長
イアン・ブレマー氏

 2008年から2013年まで、世界のメガトレンドは経済問題だった。2008年9月15日のリーマンショックに端を発する金融危機、ユーロ危機、アメリカの債務上限問題、中国経済のハードランディングへの懸念……等々。ここ5年間の問題は、すべて経済的なものだった。しかし、2014年時点において、経済を心配する必要はあまりない。

「アメリカ経済は持ち直しています。これは本物です。ユーロ圏も、もはやリセッションではありません。昨日は、ギリシャのプライマリーバランスが黒字化したというニュースがありました。スペインの競争力も向上し、イタリアも持続可能な年金制度ができました。中国のハードランディングの心配もありません。世界経済は、けっして素晴らしいとはいえませんが、それほど悪くもない状態です」

 一方、2014年以降、急速に高まっているのが地政学的リスクである。ブレマー氏は、次の4つを今後の4大メガトレンドとして挙げた。

(1)アメリカの外交政策の凋落
(2)中国の改革と成長、東シナ海の安保問題
(3)ロシア問題
(4)イラン問題

 いずれも政治的な問題だが、それがいずれは経済にも影響を与えることになる。大企業の関係者であれば、この4つについて最も注意を払うべきであると、ブレマー氏は強調した。

凋落するアメリカ外交と台頭する中国の不確実性

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 アメリカ経済は堅調だ。アメリカの軍事力も落ちてはいない。国防費は世界一位であり、2〜10位までの国の防衛費をすべて足しても、トップのアメリカに及ばない。中国は、今後10年間で経済でトップになるが、軍事的な大国は依然としてアメリカである。ところが、力は持っていても、アメリカはその力を行使したくないと考えていると、ブレマー氏は指摘する。

「オバマ大統領自身が、国連で『アメリカは、もう世界の警察官にはならない』と言っています。それは、シリアの件を見れば理解できます。イスラエル、パレスチナでも、ウクライナでもそうでした。これは、アメリカ国民の意思です。イラク戦争は嫌だった。アフガニスタンにももう関わりたくない。シリアにも関わりたくないし、ウクライナもそう。その思いは、大統領よりも国民の方がより強いのです」

 オバマ大統領の任期は、あと3年未満だ。次はヒラリー・クリントン氏、もしくは共和党の候補ということになるのだろうが、大統領が変わっても、アメリカの外交政策が凋落を続けることに変わりはないというのが、ブレマー氏の見解である。

 2番目の大きなトレンドが中国だ。「チャイナ+1」と言われて久しいが、「私自身は、最後にやっと中国に強力なリーダーが出てきてうれしい」とブレマー氏は習近平氏を高く評価する。

「習近平氏は、腐敗退治、エネルギー改革、金融改革、国有企業の改革など、本物の改革をやろうとしています。これらすべてに成功すれば、日本企業も含めて、外資系企業は中国に投資しやすくなります。しかし、問題があります。成功するかどうかわからないということです」

 現時点では、習近平氏率いる中国共産党は安定している。しかし、いずれ反対勢力の抵抗に合う。したがって、中国の不確実性は、他の大国と比べて高いというのが、ブレマー氏の見立てである。

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