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2014年08月22日

ランサーズCOO 足立 和久氏が語る フリー“ランサー”的な未来の働き方

コンピュータリソースのオープン化が、経営資源のオープン化をもたらした。さらに人的資源もオープン化される時代がやってくるだろう――。先ごろ開催されたGoogleの基幹イベント「Google Atmosphere Tokyo 2014」に登壇したランサーズの足立 和久氏はそう語る。同氏は、クラウドソーシングのプラットフォーム事業と、人的資源のオープン化を経営に活かすヒントについて解説した。

執筆:フリーライター 井上 猛雄

クラウド時代の新しいワークスタイルを提供するランサーズ

photo

ランサーズ
取締役 COO

事業開発部 部長
足立 和久氏

 クラウドソーシングとは、インターネットを通じて、不特定多数の人々に業務をアウトソーシングすること。クライアントが仕事を発注し、フリーランスが仕事を受ける。それを仲介して手数料をもらうというビジネスモデルだ。

 ランサーズは「時間と場所に捕らわれない新しい働き方をつくること」を目標に掲げて設立されたクラウドソーシング業を営むベンチャー企業だ。現在37万人以上の会員を有し、国内最大手となっている。

 事業をスタートさせた経緯は、ファウンダーである秋好 陽介氏が学生時代にフリーランスを経験し、就職後に今度はフリーランスに仕事を発注する立場に回ったとき、まだフリーランスと企業をつなぐ仕組みが国内になかったことから。そこで、日本初となるクラウドソーシングのプラットフォーム事業を思いついたという。

 この種のプラットフォームは、海外では北米のElanceoDESKが有名どころだ。このほかにランサーズよりも後発となるが、オーストラリアでfreelancer.comというプラットフォーマーもある。まだ事業者は少なく、黎明期のサービスといえるだろう。

 ランサーズの会員構成は、ほぼ半数が専業のフリーランサーだ。次いで多いのが企業に勤めていたり、自分で事業を行っている人々。こちらは副業という形で会員に登録している。世代別では20代〜40代で90%を占めるが、定年を迎えた70代のベテランも会員になっている。足立氏は「特に震災以降、会員数がぐっと伸びた。これは在宅ワークやオンラインワーカーに対する業界の理解が進んでいるためだと思う」と説明する。

「最近は主婦の方々が会員として増えています。家事や子育てをするため、どうしても1日の中でまとめて働く時間が取れない。そのため、合間合間の時間を仕事の時間にあてて、月に数万円程度の報酬を得ていることが多いです」(足立氏)

桃づくりと並行してWebデザインの仕事をするランサーも

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 足立氏は、具体的にランサーズで活躍する数名のフリーランサーについて紹介した。

 Webデザイナーとして活躍するO氏は、制作会社に勤務していたが、家業を継ぐために実家に戻った。しかし制作案件も好きだったため、農業を行いながらWeb系の仕事も兼業で行っているそうだ。

「当人いわく、美味しい桃をつくることと、クリエイティブなWebデザインをすることは、モチベーション的に似ているそう。農作業をしながら、いま抱えているWeb案件のことを考えたりと、バランスのとれた毎日を送っているようです」(足立氏)

 デザイナーのJ氏は、子育てを契機に会社を辞めたが、仕事と子育てを両立したいという想いが強く、フリーランスになった。子が寝静まったあとに、デザインの仕事をして収入を得ている。 子育てに追われる毎日は自分の存在価値を得にくい部分があった。しかし、デザインの仕事でクライアントから評価されると充実感が得られる。それが子育てのストレスの解消にもなっているそうだ。

 もう一人のフリーランサーはユニークだ。Fさんはゲーム制作会社に勤めていたが、上司から将来の夢を問われ、その一言をきっかけにリゾート地に移住し、オンラインでの仕事をスタートさせた。

 また大学教授だったY氏は、定年退職を機にフリーランスに転身し、ライターになった。「第2の人生として好きな仕事をする機会がないのはアンハッピーだ。自分では定年を設けずに生涯現役で働きたい。これからは、そういう新しいワークスタイルが標準になればと思う」という意見だ。いずれにしてもランサーズに集まるフリーランサーは明確な意志を持っているようだ。

【次ページ】なぜランサーズは企業向けにデータベースを開放したか

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