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  • 2014/09/25 掲載

グリー 田中 良和社長の語る、本業で苦戦するグリーが次々と新規事業に参入する理由

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2004年に設立され、ソーシャルゲーム事業やソーシャルメディア事業などを展開するグリー。しかし同社を立ち上げた代表取締役社長の田中 良和氏は「起業したいと思ったことはなく、ある意味、今でもない」と語る。また楽天時代に初めてプログラムを書くことができるようになり、本当の意味でものづくりができるようになったと話す田中氏。今後のグリーについて、どのようなビジョンを思い描いているのだろうか。「Startup Asia Tokyo 2014」で登壇した田中氏が、グリーの現在と今後の取り組みについて語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

大変なことも多い。起業は簡単に人に勧められない

 冒頭、モデレーターを務めるTech in Asia編集者のDavid Corbin氏から“そもそもどんな経緯でエンジニアリングが好きになったのか”という質問を投げかけられた田中氏は、「約15年前にインターネット業界に入った時、楽天でプログラミングを覚えたらどうかと勧められて覚えたのが始まり」と回答した。

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(写真左から)グリー 代表取締役 社長 田中良和氏、モデレーター Tech in Asia 編集者 David Corbin氏

「何かを企画しても、実際に自分で作ることができなければ、そのアイデアは具現化できないと思っていました。プログラムが書けるようになって初めて、本当の意味でものづくりができるようになりました」(田中氏)

 そしてプログラミングを覚えた田中氏が楽天で働きながら、自宅で趣味的に作っていたSNSがGREEで、その後、田中氏は楽天を退職してグリーを設立することになる。

「実は、私は起業したいと思ったことはないし、ある意味今でもないんです。GREEが個人では運営できない規模になったため、会社組織にするしかなかったというのが本当のところ。楽天で普通に働いて、いいサービスを作ることができれば、それで幸せだと思っていました」

 最初は「こんなインターネットのコミュニティサイトをやっても儲からないだろう」と思っていたという田中氏。そのため、Web制作会社などを運営しながら、儲かったお金の一部を使って、ボランティア的にこのサービスを続けていければいい、と考えていたという。

「真剣に考えて起業しようとしたわけではないんです。起業したい人を見るたびに、大変なのになぁと思う(笑)やはり起業には困難なことも多くつきまとう。簡単に人に勧められることではないと思っています」

難易度の高い取り組みに優先順位を付けてチャレンジを進める

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 最近ではガンホーの運営するパズドラの登場などにより、苦戦が報じられているグリー。次にCorbin氏は、グリーの今後の展開をどのように考えているのか田中氏に聞いたところ、同氏は「そもそも、3年前ほどから我々は色々な事業の変化に直面していました」と語る。

 3年前にはガラケーのゲームビジネスが中心だったが、その基本となる携帯電話、つまりハードウェア自体がどんどん減っていった。ここで同社は、本業のブラウザゲームを、ガラケー向けからスマートフォン向けに切り替えていくという対応を取らねばならなかった。

「WebはWebでも両者は全く異なるものなので、この対応が猛烈に大変なこと。その対応を図りながら、ネイティブゲームを当てる必要もあり、さらにはグローバル展開もする必要がある。こうした難易度の高い取り組みを、いくつも同時に進めていく必要がありました」(田中氏)

 この困難なチャレンジはいまだ継続中だ。グリーではブラウザのゲームをきちんとスマートフォン対応させることを1番目に考え、2番目にグローバル展開、そして3番目に国内のネイティブゲームに注力する。

 優先順位に組み直して事業立て直しをはかっているグリー。にもかかわらず、グリーはこれに加えて新たな事業へも参入している。田中氏はこの理由について、事業を考える上での判断基準を示しつつ説明した。

【次ページ】グリーが次々と新規事業に参入する理由

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