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- 2014/10/10 掲載
Twitterでのリアルタイムマーケティング成功の鍵は4つ、「瞬間」を捉えて物語を作る
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
ユーザーは瞬間を捉えてワクワクすることに焦がれている
「オリンピックやワールドカップサッカーなど世界的なイベントが開催されている各瞬間で、世界各地の人々がどんな反応をしているのかを見るのは非常に面白い」(バーンズ氏)
しかしバーンズ氏は、企業がTwitterのようなプラットフォームを活用する際、一番長けたやり方は、大きな瞬間だけを捉えることではないという。
「日常の小さな瞬間をいかに取り込んでいくかが、リアルタイムマーケティング成功の鍵を握る。一瞬が積み重なっていく“勢い”というものをどう取り込んでいくか。それを考えることが非常に重要だ」
Twitterは、マーケティングで利用される他のプラットフォームとどう違うのか。この点についてバーンズ氏は、「公開されていること」「会話が生まれること」「広く拡散されること」の3点を挙げた
「世界のどこかでイベントが開催されると、そこでの体験がリアルタイムにツイートされ、公開される。それを見たすべてのユーザーは、その現場を“目撃”することができ、会話に参加することができる。さらにはその会話を起点とした新たな会話が生まれ、広く拡散していく。これはTwitterの大きな特徴だ」
たとえば今年の米アカデミー賞で司会者が“有名人と一緒に撮った写真をリツイートしてください”というツイートをしたところ、3400万人がリツイートした。これがさらに広く伝搬することで、各ユーザーのフォロアーを含めて33億人のインプレッションに繋がったという。
「世界各国のメディアがTwitterを使い、ライブやリアルタイムという性質によって、ストーリーを編み出している。逆にいえば、そのストーリーはTwitterから出発している」
Twitterユーザーの78%はモバイル上からツイートしているが、日本ではこの比率はもっと高く、さらに日本のユーザーは、毎月58時間17分をTwitter上で費やしているという。
「世界の中でも日本人は最もアクティブな観衆だ。企業がきちんとしたコンテンツを展開することができれば、そして人々に何をして欲しいかの構想を練ることができれば、意味のある行動を取ってもらうことに繋げることができる」
日常生活の中にユーザーの瞬間を捉えるきっかけがある
それでは実際に企業はどうツイッターを活用すればよいのか。ここでバーンズ氏は、縦軸上部にPLANED(=計画したこと)、下部にUNPLANED(=計画外のこと)、そして横軸右側にEVENT(=イベントで繋がる)、左側にALWAYS ON(=いつも繋がっている)という軸をとった四象限の図を示した。
このうち左上の象限に相当するのが、EVERYDAY(計画したこと/いつも繋がっている)、左下がUNPREDICTABLE(=予測できないこと;計画外のこと/いつも繋がっている)、右上がCAMPAIGN(計画したこと/イベントで繋がる)、そして右下がLIVE(計画外のこと/イベントで繋がる)だ。
「大体80%の企業の時間やリソース、お金は、計画された取り組みに費やされている。これに対してTwitterのお手伝いできる主な領域は、LIVEに、リアルタイムに計画を立案していくところ」
そしてバーンズ氏は4象限のうちのEVERYDAY、LIVE、CAMPAIGNでの具体的な取り組みについて言及した。
まずEVERYDAYの観点から見た時、人々が疲れている時のツイートのパターンがあり、お昼時にツイート数が一度増え、夜になると頂点に達するという。あるいは空腹時のツイートのパターンも分かるという。
「そこで一歩引いてこのパターンを見て、どんなクリエイティブを提供しうるのか、その一瞬においてどんな仕掛けが一番効くのかを考えていく」
たとえば英国では朝の通勤時、人混みが辛くて周りの人に消えて欲しいということから“消える”という単語を使ったツイートがたくさんあるという。
ここに携帯電話メーカーのノキア(現在携帯電話事業はマイクロソフト傘下)が目を付け、新製品をローンチする際のクリエイティブに利用した。スマートフォンのカメラ機能を使って画面に写し出している人混みを、画面をタップすることで消す、あるいは移動させるという広告を作成したのだ。
「皆様の日常生活のパターンを考えてみて欲しい。そこにユーザーの瞬間を捉えるきっかけがある。日常にはたくさんのチャンスが眠っている」
【次ページ】日々のストーリーをどう紡ぐかが、マーケターの腕の見せ所
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