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2014年10月21日

連載:あの業界のグローバルランキング

製紙業界の世界ランキング:王子製紙や日本製紙は米IPや北欧のUPMなどに追いつけるか

製紙業界でも、先進国の大手製紙会社の主導で、M&A(企業合併・買収)を起爆剤としたグローバル化の波が広がっている。ネットやITの普及によるペーパーレス化などの影響で、国内市場が頭打ちとなり、先進国の製紙会社は、経営規模の拡大と海外市場への進出に活路を見出すしかないからだ。米国のインターナショナル・ペーパー、北欧のUPMキュンメネを旗頭に、経営統合で先行する欧米勢をキャッチアップするため、日本の製紙会社の代名詞である王子ホールディングス、日本製紙も、猛チャージをかけはじめた。日本勢と欧米勢、そして、玖龍紙業を筆頭とする中国勢が、天下分け目の戦いを演じる舞台になりそうなのは、もちろん世界最大の紙・パルプ消費市場に成長した中国である。

執筆:野澤 正毅 企画・構成:編集部 松尾慎司

森林資源の豊富な北欧企業が上位にランクイン

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 古代エジプトでは、紙の先祖ともいわれる「パピルス」が用いられていた。このように、人類と紙の付き合いは古い。現在でも、新聞や雑誌、書籍をはじめ、カレンダー、名刺、封筒、包装紙、牛乳のパック、トイレットペーパー、紙オムツ、段ボール箱と、身の回りにある紙製品を挙げていけば、切りがないほどだ。

 紙の種類はさまざまで、日本では障子や扇子の素材になったり、書道で使われたりする「和紙」もお馴染みだろう。

 ただし、現在、世界で流通しているのは、工業的に大量生産が可能な「洋紙」だ。洋紙の原料は主に木材。機械的製法や化学的製法によって、木材(あるいは回収された古紙)に含まれる植物繊維(主にセルロース)を取り出し、「パルプ」を作る。

 それから、パルプを抄いて、用途に応じて新聞用紙、印刷用紙、情報用紙、包装用紙、衛生用紙などに加工していく。ちなみに、洋紙は大きく紙、板紙に分類される。紙は普通の柔らかい薄紙で、板紙は段ボールや紙の容器に使われる硬い厚紙のことだ。

 洋紙の生産にかかわるメーカーの中には、パルプの専業メーカー、あるいはパルプや紙を仕入れて紙製品に加工するメーカーもあるが、世界的な大手メーカーの多くは、パルプから紙、紙製品までを一貫生産する紙の総合メーカー「紙メジャー」である(一般に、製紙会社とは紙・板紙のメーカーを指す)。

 紙・板紙生産量を基準とした2014年の製紙会社のグローバルランキングは次のとおりだ(後に売上高を基準としたランキングも掲載)。

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(クリックで拡大)

製紙業界の世界ランキング(生産量基準)


 ほかの産業と比べて注目されるのは、複数の北欧企業が上位にランクインしていること。洋紙の原料となる木材の大半は、モミノキ、マツといった針葉樹から採る。北欧は針葉樹の森林資源が豊富で、伝統的に紙・パルプ産業が盛んなのである。

 1987年以来、世界第1位を独走しているのは、米国のインターナショナル・ペーパーである。北欧と並ぶ製紙王国である米国を代表する企業で、紙・板紙生産量では、世界第2位を2倍近く引き離している。

 創業は1898年。北米をはじめ、欧州、ロシア、アジア、アフリカなどに生産拠点を持ち、世界20カ国以上で事業展開している(従業員は約7万人)。

 日本法人はインターナショナル・ペーパー・ジャパン。クラフトライナーや液体用バルクパッケージングといった輸送用の特殊紙製品に特色がある。M&Aにも積極的で、11年には米国大手のテンプルインランドを買収している。

 世界第2位の製紙会社は中国(登記上はバミューダ諸島)の玖龍紙業(ナインドラゴンズペーパーホールディングス)だ。前年の世界第20位から躍進した。米国で古紙回収業を営んでいた創業者が95年に設立した新興企業だが、段ボールが主力だったため、中国の流通の活発化を背景に、事業を急成長させたと言われている。

 世界第3位の製紙会社は、フィンランドの代表的企業であるUPMキュンメネである。キュンメネとレポラ、UPM(ユナイテッド・ペーパー・ミルズ)が経営統合し、96年に発足した多国籍企業。日本法人のUPMキュンメネ・ジャパンもある。印刷用紙では世界第1位の生産量を誇り、グループでバイオマスやバイオケミカルなどの新規事業も手がけている。

【次ページ】紙メジャーとして復活した王子ホールディングス

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