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  • 2014/11/21 掲載

3900万会員のAmeba支えるハイブリッドクラウド環境、スマホ対応で何に取り組んだのか

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「アメーバブログ(アメブロ)」の運営などで知られるサイバーエージェントは2014年8月、Ameba事業配下にあったインフラ部門を切り離し、全社インフラを担当する部門へと独立させた。インフラの開発/運用やシステムコストの最適化に加え、インフラエンジニアの不足に悩む子会社の支援も行っている。サイバーエージェント インフラ&コアテク本部 マネージャーの怡土 研也氏は、「コンテンツを配信する側としては、世の中のトレンドが変わっても、快適なアクセス環境を提供していかなければならない」と強調。サイバーエージェントにおけるインフラ強化の取り組みについて語った。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

オンプレ環境が基本、状況に応じてパブリッククラウドを利用

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サイバーエージェント
インフラ&コアテク本部
マネージャー
怡土 研也 氏
 1998年設立のサイバーエージェントでは現在、4つの事業を展開している。アメブロやコミュニティサービスなどを展開するAmeba事業、ネット上のプロモーションを支援するインターネット広告事業、SAP(Social Application Provider)をはじめとするゲーム事業、そしてインターネット関連企業を中心に投資を行う投資育成事業だ(2015年9月期からはメディア・その他事業としてコミュニティ事業、エンターテインメント事業に細分化)。2014年6月末時点の社員数は3165人、また2013年度の連結売上高は2,052億円で、今期目標は2,400億円だ。

 怡土氏がマネージャーを務めるインフラ&コアテク本部は元々Ameba事業本部の配下にあったインフラ部門で、それが今年8月に全社インフラを担当する組織となった。インフラの開発/運用やシステムコストの最適化に加え、インフラエンジニアの不足に悩む子会社の支援も行っている。現在のメンバー数は約50名だ。

 Ameba事業では2004年にブログサービスを、2009年には自分のキャラクタを作ってネット上で他ユーザーとコミュニケーションできるアメーバピグのサービスを開始し、2012年からは、こうしたAmebaのサービスをスマートフォン向けに提供することも始めた。同事業は今や、3900万会員を誇り、売上高386億円、営業利益24億円を稼ぎ出す事業へと成長した。

 それらサービスを支えるインフラとしては、2011年まではずっと物理サーバに頼ってきており、現在も設計から運用まですべてを自社で行うデータセンターを利用しているが、2012年に“アメーバクラウド”というプライベートクラウドを開発し、そこから一気にクラウドにシフトした。現在のサーバ台数は約1万台で、うちクラウドのコア数が約7万とのことだ。「Akamai Digital Media Conference 2014」で登壇した怡土氏は、同社のスタンスを次のように説明する。

「オンプレ環境が基本で、パブリッククラウドは状況に応じて活用する。たとえばブログとピグでは要件も異なるので、提供するサービスに応じてベストプラクティスを考え、どんなインフラを利用するのかを決めている」

低コストでハイパフォーマンスといった要件は当たり前

 Ameba事業を支えるために、インフラ&コアテク本部では何を軸にインフラ構築を考えているのか。

「もちろんサービスを止めないとか、低コストでハイパフォーマンスといった要件は挙げられる。しかしそれらは今や当たり前。そうした状況の中で我々が考えたのは、コンテンツを配信する側として、世の中のトレンドが変わっても、“快適なアクセスを提供していかなければならない”ということだ」

 たとえば、スマートフォンの普及やLTEの登場によって、デバイスのポータビリティとエンドユーザーのアクセス環境がどんどん向上してきている。

「その中で、スムーズなコンテンツ配信のネックとなる動画や画像など容量の大きいデータは、とりあえずキャッシュしてしまえということだけをほぼ行ってきた。基本的に画像やcssなど静的なものを、いかにレスポンス早く返せるかが、ユーザーのアクセス改善にも繋がっていったという事実があった。さらにその副産物として、オリジントラックの負荷が減り、ネットワークやサーバなどへの投資を抑制することもできていた」

【次ページ】スマートフォン時代は「従来の対策だけでは多分ダメ」

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