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  • 2014/12/03 掲載

NEC 遠藤信博 社長:7つの領域で社会価値創造、SDNやビッグデータはどう役立つのか

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現在世界で都市部に住む人口の割合は50%で35億人。これが2050年には70%にまで跳ね上がり、合計で63億人になるという。世界人口全体は2050年までに1.3倍になると予想されるが、都市部に限定すれば1.8倍。一方国内人口は現在の1.2億人から8000万人にまで減少する見込みだ。NEC 代表取締役 執行役員社長の遠藤信博氏は、「将来的には現在のほぼ2倍の要求に対応できる社会インフラが必要になり、それを国内では今の3分の2の人口で支えなければならなくなる」と指摘する。そのためには「効率性の高いインフラが必要だ。そこにNECグループの社会ソリューションが新たな価値を提供する」という。

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

執筆:レッドオウル 西山 毅、構成:編集部 松尾慎司

レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama

7つの領域で社会価値を創造していく

photo
NEC
代表取締役
執行役員社長
遠藤 信博 氏
 これから30~40年の間に都市部の人口は1.8倍になる一方、国内人口は約3分の2にまで減少すると予想されている。

 「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2014」で登壇した遠藤社長は、「これはそのまま、今の1.8倍のエネルギーが必要になるということだ。しかも日本の人口は大幅に減る。電気、ガス、水道、あるいは道路といった社会インフラには、より高い効率性が求められるということ」だと切り出した。

「この課題に対し、NECはICTの力で貢献できるのではないかと考えている。提供できる価値は大きく4つ、安全、安心、効率、公平だ。この観点から我々は今回、新たなブランディングメッセージを作成した。それが“Orchestrating a brighter world”だ。スマートなソリューションで、明るい未来を創っていきたいというのが我々の思い」

 それでは具体的にどのような分野で、NECは価値を創り出していくのか。この点について遠藤社長は、7つの領域を提示した。

 1つめが“Sustainable Earth(=地球との共存)”、2つめが“SaferCities & Public Services(=安心・安全な都市・行政基盤)”、3つめが“Lifeline Infrastructure(=安全・高効率なライフライン)”、4つめが“Communication(=豊かな社会を支える情報通信)”、5つめが“Industry Eco-System(=産業とICTとの新結合)”、6つめが“Work Style(=枠を超えた多様な働き方)”、そして7つめが“Quality of Life(=個々人が躍動する豊かで公平な社会)”だ。

「この7つが、社会価値創造のための7つのテーマだ。我々はこれらの領域にICTを適用することで、社会価値を創造していきたい」

NECの価値創造を可能にするテクノロジー分野の1つがSDN

 次に遠藤社長は、「ICTが生み出す4つの価値(安全、安心、効率、公平)の源泉となる要素は3つある。それがリアルタイム、ダイナミック、リモートだ」と強調する。

「まずリアルタイムに判断を下して、新たなサービスをダイナミックに作る。そしてそれを遠くにいる人たちにもリモートで提供する。この3つの要素が組み合わさることで、今までは想像もできなかったような新たな価値が生み出されることになる」

 この3つの要素に関連するNECのテクノロジー資産は数多くあるが、代表的なものとして、SDN(Software Defined Networking)やビッグデータ処理技術、画像認識技術、クラウド基盤が挙げられる。

 まずSDNについて、これまでネットワークはさまざまなネットワーク機器によってコントロールされていた。それが今では、ネットワーク上を流れるデータの内容を見て、どういう処理を行うかをソフトウェアが判断し、すぐに対処するということができるようになってきた。これが“ソフトウェアによって定義されたネットワーク”、即ちSDNだ。

「ネットワークの動きをソフトウェアでコントロールすることによって、あるネットワークをさまざまな形態に変えることができるようになった。端的に言えば、SDNによって“ネットワークの仮想化”が実現できるようになった」

 たとえばモバイルネットワーク内では、音声配信、動画配信、メール、音声通話のそれぞれに周波数帯域が割り当てられているが、万一の災害発生時に音声通話の帯域がもっと必要だという場合、SDNなら帯域を瞬時に変えて、優先的に音声通話を流すといった対応を採ることが可能だ。

「つまりSDNは、周りの環境に応じて最適なネットワークを運用するための技術だと捉えることができる。我々もいち早くSDNの動作確認などを行っている」

 また現在、NECのSDNソリューションは既に多くの企業で活用されている。たとえばJR東日本だ。同社の東京駅構内の無線LANには、非常に多様なデータが流れているが、その構成変更を基本的には週単位、場合によってはもっと頻繁に行う必要があり、この時かつてはその都度、ハードウェア構成も変えなければならなかった。

「そこにSDNを導入したことで、PCの画面上で、どの配線を、どう変えるかを指示するだけで、ネットワーク構成を瞬時に変更することができるようになった。オペレーションコストが劇的に下がると共に、構成変更作業も非常に楽になり、かつ新たな構成を追加する際にも非常に簡単だ。まさにICTが提供する価値だと言える」

【次ページ】システム・インバリアント分析技術と異種混合学習技術

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