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  • 2014/12/25 掲載

SBI証券 髙村 正人社長が語る LINEアカウントで株取引できる証券会社が必要な理由

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ネット証券最大手のSBI証券は2014年8月19日、証券業界で初めてLINE公式アカウントのサービス提供を開始。それを皮切りに、9月30日には株価照会サービスをスタートさせた。今後は、約定通知や発注といった株式取引サービスを順次提供していくというが、SBI証券はなぜLINEを使ったサービス提供に乗り出したのか。そこに、どんな勝算を秘しているのか。SBI証券 代表取締役社長 髙村 正人氏に話を聞いた。

執筆:フリーランスライター 吉田育代

執筆:フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

証券業界初のLINEを使った株価照会サービスを提供開始

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SBI証券
代表取締役社長
髙村 正人氏
 現在、SBI証券はLINE上に公式アカウントを持つ唯一の証券会社だ。LINEのユーザーはSBI証券のアカウントを「友だちに追加」し、同アカウントに向けて「企業名」や「銘柄コード」を入力、送信することで株価を問い合わせることができる。

 問い合わせの際の「あいまい検索機能」はユニークだ。たとえば“カップラーメン”と入力すると、このキーワードから連想される企業が候補として挙がってきてその先へ進める。通常は20分遅れの株価を配信するが、SBI証券に口座を持つユーザーはLINEアカウントと「コネクト」することでリアルタイムな株価情報を閲覧できる。

 LINEと株価照会を組み合わせたこのサービスは、いかにして誕生したのか。SBI証券 代表取締役社長 髙村 正人氏はきっかけを次のように語る。

「そもそものきっかけは今年の初め、LINE 代表取締役社長の森川 亮氏と会食の機会を持ち、その中でLINEビジネスコネクトの話が出たことが始まりでした。森川氏から話を聞いたところ、サービスとして興味深く、証券会社として一番最初に参入したいと直感的に思いました」(髙村氏)

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SBI証券のLINEサービス利用イメージ

 その後4月頃から、SBI証券はサービス具体化に向けて走り出す。そのプロジェクトトップにはLINEをコミュニケーションツールとして使う若手エンジニアを抜擢、スピード重視で冒頭の株価照会サービスまでこぎつけた。

本領発揮は、年末年始スタートの株式取引から

 公式アカウント立ち上げから現時点までの展開について、髙村氏は次のように振り返る。

「いい意味で、立ち上げた直後から大きな反響がありました。一方で、当時話題になった『LINEアカウント乗っ取り騒動』の影響から、セキュリティに関しての懐疑論も挙がりました。顧客としては当然の心配ですから、我々はその点に関してはしっかり詰め、金融当局、顧客への説明に力を入れたほか、騒動の鎮静を待ち、万全な対策をしたうえでサービス投入しました」

 2014年11月末、公式アカウント登録者数は約70,000名。そのうち同社に口座を持っておりコネクトサービスを使い始めた顧客は2,000名だ。この数字についての現時点での評価はどうなのだろうか。

「顧客ボリュームに関しては、現在提供している機能が株価照会のみなので、今はまだテストマーケティング中といったところです。年始にリリースを予定している株式発注機能からが本格参戦と考えており、LINE上を中心にさまざまなプロモーションを仕掛けていきたいと思っています」

 SBI証券がLINEにいち早くコミットしたのには理由がある。同社ならではの少額投資非課税制度(NISA)普及のための戦略だ。同社に新規で口座開設する顧客の約80%は、これまでに投資の経験がない投資初心者層だ。そんな同社にとって、投資の入門編といえるNISAは、新規顧客獲得に際し非常に親和性の高い制度だった。

【次ページ】LINEとの協業で、NISAを若年層に浸透させる起爆剤に

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