• 2015/01/08 掲載

インテグレーテッドインフラストラクチャ製品、投資対効果は147.2%-IDC調査

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IDC Japanは8日、国内企業におけるインテグレーテッドシステム(統合型システム)のROI分析結果を発表した。これによると、インテグレーテッドシステムのうち、インテグレーテッドインフラストラクチャに対するROI(投資対効果)は147.2%になった。投資回収期間は15.7か月だった。
 IDCでは、サーバ、ディスクストレージシステム、ネットワーク機器およびソフトウェアの組み合せをベンダーが認定した上で統合したシステムパッケージをインテグレーテッドシステムと定義している。さらに、インテグレーテッドシステムをインテグレーテッドプラットフォームとインテグレーテッドインフラストラクチャに分類している。

インテグレーテッドプラットフォーム
サーバ、ディスクストレージシステム、ネットワーク機器およびシステム管理ソフトウェアに加えて、他のソフトウェアを追加したり、追加したソフトウェアにシステムを最適化したりしている。追加されるソフトウェアにはアプリケーション開発用ソフトウェア、データベース、テストツールや統合ツール、業務アプリケーションなどがある。
例:FUJITSU Integrated System HA Database Ready/Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA/HP AppSystem/IBM PureApplication, PureData/NEC Solution Platforms Data Platform Suite/Oracle Exadata,Exalogic, Exalytics/VCE vBlock for SAM HANA

インテグレーテッドインフラストラクチャ
用途を限定せずに分散型のワークロードを広くサポートできるように構成されている。インテグレーテッドプラットフォームとの相違点は、特定のワークロード向けに最適化していないことである。インテグレーテッドインフラストラクチャは、ベンダー1社によって提供されることもあれば、複数ベンダーのパートナーシップによって提供されることもある。複数ベンダーのパートナーシップによって提供されるインテグレーテッドインフラストラクチャは、構成の事前検証や統合したシステムパッケージとしての提供からサポートまで、ベンダー間の高度、かつシームレスな協調関係によって提供されるものである。
例:NetApp FlexPod/EMC VSPEX/FUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks/Hitachi Unified Compute Platform Pro for VMware vSphere/HP CloudSystem, VirtualSystem/IBM PureFlex/NEC Solution Platforms Cloud Platform Suite/VCE vBlock

 今回の調査ではインテグレーテッドシステムの投資効果について、IDC独自のROI(Return On Investment)メソドロジーを用いて、導入効果を分析し、投資対効果を定量化した。

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ROI算出概要

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 分析対象とした事例では、インテグレーテッドインフラストラクチャの初期投資額(100ユーザー当たり)は125万4,230円だった。125万4,230円のうち、118万4,007円がシステムハードウェアに対する初期投資額。残りの7万223円が導入サポートに対する投資額になる。

 また、インテグレーテッドインフラストラクチャの導入によるベネフィットは、初期投資時点において105万1,795円、年次で182万8,876円(割引前)と試算した。割引率12%を適用した3年間の100ユーザー当たりの正味利益は310万313円だった。

 その結果、インテグレーテッドインフラストラクチャに対する投資のROIは147.2%、投資回収期間は15.7か月になった。これはインテグレーテッドインフラストラクチャへの投資によって、投資額に対し1.5倍弱の効果が得られ、1年4か月弱で投資の回収が可能であることを意味しているという。

 初期投資額、年次投資額、正味利益(割引後)はそれぞれ100ユーザー当たり125万4,230円、37万8,328円、310万313円だった。ベネフィットとしてIT部門に対するベネフィット、システムユーザーに対するベネフィットを評価した。

 なお、本調査レポートでは、システムユーザーに対するベネフィットのうち、システムユーザーの生産性向上、および企業全体に対するベネフィットとしてアジリティ(俊敏性)によるベネフィットは考慮していない。そのため、実際には両ベネフィット分野で正味利益が加算されるため、さらに大きなROIと投資回収期間の短縮が 期待できるという。

 IT部門がスタッフの時間やシステムリソースを、ITサービスの革新やビジネス環境の変化への対応を重視したプロジェクトに再配置すべきとの認識が高まりつつある。これを可能とするイネーブラーの一選択肢としてインテグレーテッドシステムの導入を検討する企業が今後もさらに増加するとIDCでは分析している。

 IDC Japan サーバー グループマネジャーの福冨 里志氏は「IT部門はインテグレーテッドシステムの利点を生かすために、従来型のソリューション選定および運用管理の手法を改める必要がある。具体的には、ハードウェアとソフトウェアコンポーネントの標準化を図るべきである。標準化によって管理と相互運用性の欠如を解消し簡素化することができる」と述べている。

 今回の発表はIDCが発行した「2014年 国内企業におけるインテグレーテッドシステムのROI分析」(J14260101)にその詳細が報告されている。

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