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- 2015/02/10 掲載
ニューロエコノミクスとは何か?人間は「利得」と「確率」と「時間」で価値判断する
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
脳は価値判断に基づいて意思決定している
神経経済学(ニューロエコノミクス)は、神経科学、経済学、心理学を融合した分野で、人間や動物の「価値」に基づく意思決定を記述しようとする学問だ。ATR 田中氏はニューロエコノミクスの命題について次のように説明する。ニューロエコノミクスでは大前提として、人間を含む動物は、価値に基づいて意志決定をすると考えているという。その際には色々な要素が関係するが、主なものは3つで、「利得」と「確率」と「時間」だ。
まず利得は「どれぐらいたくさんもらえるのか?」という視点だ。我々は同じ値段なら、より多くもらえたほうがその選択の価値が高いと計算する。
2つめの要素が確率で「どれぐらい確かにもらえるか」。たとえば宝くじを買う場合、1等の当たる確率が高いと評判の売場には長い行列ができる。我々は確率の高い選択肢に高い価値を見出す。
そして3つめが時間で「どれぐらいすぐにもらえるか」という視点だ。人は全く同じものが手に入る時、長い行列に並ばなければならない時とすぐに得られる時では、後者を選ぶ。つまり我々は待つと価値が下がってしまう、あるいは早くもらえたほうが価値が高いと計算している。
「ニューロエコノミクスの最初のステップは、脳がこうした価値の計算をしていると考え、それをどのように行っているのかを調べることです」
【次ページ】脳の価値判断は、社会問題や健康問題にも関係?
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