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  • 2015/02/06 掲載

堀江 貴文氏が語るIoT時代のイノベーション スマートロボットで世の中は変わるのか?

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DMM.comは1月28日、人とコミニュケーションを行うスマートロボットの普及に向け、ロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」を開始すると発表した。DMMでは、富士ソフト、ユカイ工学、プレンプロジェクト、ロボットゆうえんち、デアゴスティーニ・ジャパンと提携し、ロボット製品のEC販売や、プロモーション、サポートなどを行っていく。2015年には年間30億円の売上を目指すと、かなり意気込みも熱い。同発表会では、ホリエモンこと堀江 貴文氏や提携各社の代表が、IoT時代におけるスマートロボットの未来について議論を交わした。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

消費者のニーズのないスマートロボットに未来はない

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首都大学東京
久保田 直行教授
 首都大学東京の久保田 直行教授は講演の冒頭、従来のコミュニケーションロボットとスマートロボットの違いについて説明した。

「これまでのコミュニケーションロボットは、音声認識や画像処理の技術が熟成したことで、いわばコミュニケ―ション技術を内在化させる方向で開発が進められてきた。その一方で、新しいスマートロボットはIoT(Internet of Things)とクラウドコンピューティングの力をフルに活用する形での展開が可能になるだろう」(久保田氏)

 スマートロボットは、IoTとクラウドによって、ロボット内部の機能を外部のクラウド側に出して、ロボット本体をデザイン性を含めて洗練したものにつくり変えられる可能性を秘めているということ。かつて2000年代の始め頃に、ロボット業界ではネットワークロボットが流行したことがあった。しかし当時は、まだ通信回線もそれほど速くなく、クラウドも未成熟な時代であったため、その後フェードアウトしてしまった。

 久保田氏は「いよいよクラウド上でも音声・画像認識が高速処理できるようになってきたため、ロボット開発者はソフトウェアよりもハードウェアに力を注げるようになった。その環境をDMM.make ROBOTSがプロットフォームとして提供することで、より独創的なスマートロボットを多くの技術者とともに共創できる環境が整うだろう」と期待を寄せた。

堀江氏「注目すべき技術はテレイグジスタンス」

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SNSファウンダー
堀江 貴文氏
 続いて、コーディネータを務めたDMM.com 松江 立也氏が「スマートロボットによって消費者の生活はどう変わるのか?」という質問を投げかけた。

 開口一番、SNSファウンダーのホリエモンこと堀江 貴文氏が「ぶっちゃけ、スマートロボットによって世の中が変わるのだろうか?確かにスマートフォンの登場で、高性能なCPUやメモリが安く手に入るようになり、ロボット開発も容易になった。しかし、Google Glassと同じで、本当に何に使えるのか明確な用途が分からないし、一般消費者のニーズも見えてこない。たとえロボットの形をしていなくても、ルンバのほうが実用性があるではないだろうか?」と疑問と呈し、スマートロボットの未来は厳しいという見解を示した。

 辛辣な意見を重ねた堀江氏はむしろ「遠隔臨場感を実現する『テレイグジスタンス』については期待している。それが(スマートロボットの)キーワードになるのでは?」と述べた。同氏がテレイグジスタンスの活用事例として挙げたのが、Double Robotics社のロボットだ。

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Double Robotics社のWebサイトより。Doubleはテレイグジスタンスとしての活用が可能

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 セグウェイのような倒立振子にタブレットを取り付け、遠隔操作で自在に動き回りながら、現場にいる人と会話を楽しめるロボットだ。「タブレットに自分の写真や動画が現れると、その場に本当に人がいるような感じにとらわれる。ソフトバンクのPepperの顔を引っぺがして、顔の位置にタブレットを付けたら意外にイケるかもしれない」(堀江氏)

 先日、電通らが大阪大学・石黒浩教授の監修のもとに、タレントのマツコ・デラックスをモデルにしたヒューマノイド「マツコロイド」を開発した。堀江氏は「精巧な自分の顔をPepperに付けた『ホリエロイド』ならば欲しい。タクシーに乗って、いろいろな場所の会議に出かけられる。要は明確な用途があればロボットは売れるし、ちゃんと使われる。用途をいかに見つけられるかという点が、スマートロボットの視点に必要だと思う」と冷静に分析した。

 これを受けて久保田氏は「テレイグジスタンスは、テレプレゼンスとも関係するものだ。重要な点は、そのロボットの向こう側に本人が見えるかどうかということ。そういう意味では、完全自律というよりも半自律という位置づけになる。自分の知的な部分は遠隔地にあり、体躯の部分が現地で“分身”として動く。それが未来のスマートロボットの活用法のひとつになるかもしれない」と付け加えた。

【次ページ】堀江氏「ドローンは広義の意味でロボット、自分もやりたい」

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