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2015年03月30日

28歳の時に社会で活躍できるか? 品川女子学院のiPad導入事例に見る教育改革

最前線のICT教育や企業とコラボレーションした特別授業を行っている東京都の中高一貫校、品川女子学院。同校では2014年度から、高校2年生にタブレットなどのデジタル端末を生徒ひとりひとりに支給し、活用してもらう取り組みを開始した。タブレットを使った教育の流れは教育現場で加速しており、特に2015年度から導入する学校も増えていくと予測されているが、これによって教育がどのように変化するのだろうか。3月1日に開催された「Edu×Tech Fes 2015」で品川女子学院 教諭の酒井 春名氏が事例を紹介した。

最先端のIT教育を行う品川女子学院の取り組みとは?

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品川女子学院
情報科教諭
酒井 春名氏

 1925年に創立された東京都の中高一貫校、品川女子学院は、最前線のICT教育や企業とコラボレーションした特別授業を行っている学校として有名だ。これまで同校では、教師や高校生に対してEvernote Businessを導入して情報共有したり、グーグル、テレビ東京といった企業とコラボレーションして特別講座を実施している。

 これらの試みは、同校のとある教育ミッションに基づいて行われている。品川女子学院 教諭の酒井 春名氏は「教育ミッションとして、生徒たちが28歳になったときに社会で活躍できるようにという目標を掲げ『28プロジェクト』を進めています」と語る。

 品川女子学院のWebサイトによれば、28歳は、学んだことを社会に還元できるようになる頃で、出産年齢にリミットがある女性にとっては人生のライフ・ワークバランスを考える時期でもあるという。そんな28歳の時点で、しっかりとした足取りで未来に向かう人に育っていてほしい。そのため、自ら進路を選択し、自ら目標を設定できるようになるために、学生のうちから、社会人と直接触れあえる機会を設けようということだ。

 こうしたなか品川女子学院は2014年度から、高校2年生にタブレットなどのデジタル端末をひとりひとりに使って活用してもらう「ワン・トゥー・ワン」の教育をスタートさせた。ワン・トゥー・ワンとは、生徒ひとりひとりに1台のデジタルデバイスを渡して活動していくことだ。ワン・トゥー・ワンの流れは、教育現場で加速しており、特に2015年度から導入する学校も大変増えるものと予測されている。では、ワン・トゥー・ワンによって教育がどのように変化するのだろうか。酒井氏は同校の実例を交えながら紹介した。

 今年から高校2年の家庭科では、「Challenge Based Learning」と呼ばれるプロジェクト学習をスタートさせた。課題解決を中心とするプロジェクト学習は、まず身の回りにある問題点を見つけてテーマを選び、現状を調査・分析して、情報の共有や資料の作成を行い、自分たちで解決策を考えて実行に移していくものだ。

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課題解決を中心とするプロジェクト学習は、まず身の回りにある問題点を見つけてテーマを選び、現状を調査・分析して、情報の共有や資料の作成を行い、自分たちで解決策を考えて実行に移していく


 授業のテーマは、食糧廃棄や労働環境の問題などが選ばれたという。こういった学習にはタブレットが非常に大きな威力を発揮する。酒井氏は「現状調査・分析にタブレットというツールを使うことで、図書館まるまる1つぶんの情報を収集できます。さらにEvernoteによって、チームの仲間と情報を共有していく。そして資料を作成し、プレゼンを行うことが迅速に行えるようになる。さらに本学習は、オーストラリアの学校ともコラボレーションしているため、タブレットの利用は欠かせないものとなっています」と説明した。

 Challenge Based Learningの後の授業も変わった。従来のように先生が生徒に一方的に講義を行うのではなく、先生が生徒に質問を投げかけ、生徒が情報を取って話し合いながら、1つの解答を導き出していく。このとき先生が想定していた答えだけでなく、さらに幅広い情報を見つけてくることもある。つまり、自分たちで知識を学び、議論しながら、全員で発展させていくという授業が可能になる。

【次ページ】21世紀、学校の教師に求められる役割とは?

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