「知話輪（ちわわ）」とは、現場の情報を組織的に活かすツール。企業競争が激化し、不確実な状況においても新たな挑戦をしなければならない変革の時代になっていることを背景に、動きながら考えるということの手段として開発したという。

「2013年夏ごろに同様の相談を複数受け、2014年7月頃にクローズドで発表したところ大好評だった。すでに1万名規模の企業と5000名規模の企業の2社にプロト版を導入しているが、2015年5月1日から正式稼動する」（代表取締役社長 山本孝昭氏）

　これを活用することで、現場から湧き上がってくる感情や心の動きといった情報が、間引かれることなく共有され、離れた現場でも臨場感あふれる情報を共有できるようになり、スピーディな経営判断が可能になる、としている。

「狙いは3つある。たくましい実践力、優れた現場感覚、経営と現場の共感だ」（山本社長）


　主な特徴は次の3つ。

・業務特化

　導入時に現場同行やヒアリングを行い、顧客と対話することで、業務で活用できるソリューションを提供する。不要な機能を削ぎ落とし、スマートデバイスからも業務を遂行しやすいインターフェースを備えた。「現場で使ってもらうためにインターフェイスを工夫して単純化した」（ICO 推進本部 副本部長 稲葉智成氏）。

・意識共有の可視化

　ソーシャルツールの要素を備え、気軽に簡単に発信と反応を共有。反響が大きい情報はひと目でわかるよう可視化することで、現場の意識を、地域や職種、役職を超えて共有できる。「人にでなく業務に対して投稿することで組織の壁を越える」（稲葉氏）。

・エンタープライズセキュリティ

　顧客ごとの専用クラウド環境で運用が可能。大規模組織のニーズに沿った柔軟な活用が可能なほか、情報流出リスクに備えて監査証跡ログを用意。ドリーム・アーツ社の従来のノウハウを集約し、大企業の複雑な組織階層にも対応した権限管理、情報制御が行える。サーバはAWS、サポートセンターは石垣島にあるという。


　サービス名「知話輪」は、人と直接に対話して生まれる、感覚、知性、感情といった、人の意識をつなげることをコンセプトとしていることから命名したという。導入にあたっては、パイロット利用の段階で、ドリーム・アーツ側の人員が顧客側と現場体験に基づく議論を行い、顧客に合わせた部分開発なども行ったうえで本導入を行う。

　初期費用は、個別見積り。月額利用料は、基本料として100万円、アカウント利用料として1アカウントごとに1,000円。スマホ利用については、Androidには今のところ非対応という。