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  • 2015/05/22 掲載

FacebookとECサービス「BASE」を活用 北海道ブランドに頼らない海産物のマーケティング

レバテックフリーランス 「世界のフリーランス」: 事業家・大隅 啓年氏

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北海道の野付半島で水産加工販売業を営む傍ら、地域活性のためにタレントとしても活動している事業家の大隅 啓年氏。海産物の宝庫ともいえる北海道において地元の特産品を「選んでもらう」ために、同氏はいかなる工夫をしているのか。FacebookやECサービス「BASE」を活用した地域活性への取り組みを紹介する。

地元の名産品アピールのために、タレント業に進出

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事業家
大隅 啓年氏
――大隅さんの経歴と、タレント業を始めたきっかけを教えてください。

大隅 啓年氏(以下、大隅氏)学校を卒業後、札幌で2年ほど料理人の修行をし、その後、家業の水産加工を営む大隅商店を継いたんです。私の地元である尾岱沼(おだいとう)・野付半島は世界的にも珍しい堆積した砂でできた砂嘴(さし)で、ラムサール条約にも登録されている穏やかで栄養豊かな湿地があるんです。この豊富な栄養を元に育つ北海シマエビや、毎年西別川を遡上する別海町産西別鮭は、江戸時代から貴重で美味な『野付産』の高級品として広く知られています。私の実家もそうした海産物の加工販売を行なっていたんです。

 だから、家業を継いだとき、当然のこととしてサケやシマエビなどの加工販売や、それらを調理して提供する居酒屋を営むようになりました。

 代々続いてきた家業なのでお得意様も多く、安定はしているのですが、正直なところあまり刺激的なことはなかったんです。でも、10年ほど前から北海道各地で「地元の名産品をもっとアピールしていこう」という活動が始まって、別海町では若手の私に役が回ってきました。それから生活に変化が起きてきたんです。

 名産品の中で特別にアピールしたいのは『野付産』の高級品。味には絶対の自信があります。でも、サケやエビが漁獲できるのは北海道だけではありません。海外でも安くて、そこそこにうまいものはたくさんありますから、”うまい”というだけでは、お客さんは振り向いてくれません。また、名産品のアピールと言っても初めての経験です。やり方を教えてくれる人が誰もいない中で、「困ったな」というのが正直なところでした。

 どうしたものかと迷っている時、昔から好きだったロックを聞いていて、ふと思ったんです。

「ロックスターが使うものはかっこいい。ロックスターが飲んだり食べたりするものもかっこいい。ロックスターはみんなが振り向く。だったらロックスターがおすすめするサケやエビもかっこいい。自分がスターになっておすすめすれば、振り向いてくれるかもしれない」と。これが“スター大隅”の誕生の理由なんですよ(笑)。

『北海道』という括りでのマーケティングはナンセンス

――すごい発想ですね。でも、スターになっても、名産品のアピールの手法を学べるわけではないですよね?

大隅氏:そうなんです。そこからさらに試行錯誤することが多くなり、やることがとても増えました。先ほども触れましたが、海外産の海産物とも競い合う必要がありますし、北海道自体が食の宝庫なので、野付半島に限らず、美味しいものは全道にあるんですよ。そんな中でいかに埋没せず、お客様に『野付産』の品を選んでもらい、食べていただくか、というのが目標になりました。

 いくらスター大隅が舞台に出ても、実際に『野付産』の品を購入してもらうところまでいかなければ意味がないですからね(笑)。そこで普通の会社でいうマーケティングが重要だと思ったんです。

 別海町もそうなのですが、日本の漁獲関係者は、それぞれの地域の漁協に参加し、販売などを委託することが多いんですよ。都市に比べると人が少ないので、宣伝から商品の購入までマーケティングの専門知識を持つ人材が乏しいのが現状です。民間のネットショッピングを提供する会社は数多くあり、安価で店舗のページを作れます。でも実際にページを広く知ってもらうためにはマーケティング費用が思った以上にかかるので、地元の商店が負担することは難しいのが現状ですね。

 また、そういうものって画一的に宣伝商材として商品を扱うか、『北海道』という括りでまとめてしまうことが多くて、私の伝えていきたい『野付産』の高級品の魅力が伝わり辛いんです。もちろん多額の費用をかければ大々的な宣伝をすることはできますけど、広告は新規事業として投資対効果などシビアに見ていかなければなりませんし、経営者としてのセンスが求められますよね。

 そこで家業を続けながら、私の考えに共感してくれる仲間を探すことにしたんです。幸いにも、地元出身で札幌でIT会社を経営している友人(このあと登場される松舘さん)が、私に協力してくれることになって、二人三脚で進み始めることができました。

【次ページ】FacebookとECサービス「BASE」を活用して情報を発信

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