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  • 2015/05/29 掲載

佐川急便のSGホールディングスが語るアジア物流──その現状と同社のノウハウ

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グローバル化にともない、日本企業が次々と海外に拠点を移している。生産拠点はアジア各国に分散化し、海外からの調達物流も多様化してきている。アジア各国では今、道路や橋、港や工業団地などのインフラ整備が急ピッチで進んでおり、物流のニーズはここ数年でますます高まっていくことが考えられる。佐川急便を中核に、アジアへの展開を加速しているSGホールディングスグループが、アジアの物流の現状とアジア進出の課題、解決方法など、国際物流事業者に求められる役割について語った。

アジアを中心とした国内外一貫物流の強化を目指して

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SGホールディングスグループ 代表取締役
近藤 宣晃氏
 SGホールディングス(SGH)グループは、1957年に創業された佐川急便を中核会社として、デリバリー(配送)、ロジスティクス(物流)を中心とした様々な事業分野でビジネスを展開している。また、持株会社であるSGHの傘下に、国内16社、海外105社を擁する物流企業グループとして、アジアを中心に積極的に海外進出を果たしている。同社代表取締役の近藤 宣晃氏は、「SGHグループとアジア物流」と題し、グループとアジアとの関わりや、ビジネスの取り組みについて紹介した。

 SGHグループの海外事業の統括会社として2013年に設立されたSGHグローバルは、シンガポールに本社を構え、ネットワークはスリランカ、インド、バングラデシュ、タイ、インドネシアなどアジアを中心に24の国や地域におよび、傘下の海外法人は105法人にのぼる。

「SGHグローバルは、東アジア、東南アジアを中心とする海外拠点を統括し、航空輸送、海外輸送などのフォワーディング事業、国際宅配便、個人向け通販などの国際エクスプレス(速達便)事業、物流加工設備を備えた倉庫などのロジスティクス事業、宅配便や引っ越しといったデリバリー事業などを統括しています」(近藤氏)

 近藤氏は、「今後も、アジアを中心に1980年代より展開してきた海外事業をさらに強化すべく、SGHグループの既存ネットワークと、2014年に子会社化したスリランカの物流企業グループ『EXPOLANKA』の南アジア、中近東、アフリカにおよぶネットワークとの連携を進めていく」と決意を語った。

 2014年には、国内外一貫物流の強化を目指し「GOAL(GO Advanced Logistics)プロジェクト」を立ち上げ、佐川急便やSGHグローバルなどのグループ企業が連携して、国際物流案件獲得を推進している。

「グローバル化、企業の海外進出に伴い、日本から国内外への一貫物流案件の増加や、生産地、消費地としてのASEAN各国の重要性がさらに増していきます。SGHグループは、ますます拡大していくアジアや中東エリアでの輸送、物流ニーズを捉え、顧客企業とともにアジアでのビジネス拡大をサポートしていきます」(近藤氏)

 近藤氏はこのように語り、セッションを締めくくった。

日本で培ったノウハウとネットワークを活かした「高品質サービス」がカギ

 続いて登壇したSAGAWA EXPRESS VIETNAM CO.LTD.(佐川急便ベトナム) GENERAL DIRECTORの島﨑 順二氏は、ベトナムにおける国際物流の取り組みを紹介した。

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SAGAWA EXPRESS VIETNAM CO.LTD.(佐川急便ベトナム) GENERAL DIRECTOR
島﨑 順二氏
 佐川急便ベトナムは、1997年に設立された。ホーチミンに本社を構え、ベトナム国内のダナン、ハノイのほか、カンボジアにも支店を展開している。通関手続きが煩雑と言われるベトナムで、日本で培ったノウハウとネットワークを活かし、輸出入業務の代行を始め、航空貨物、海上貨物のフォワーディング事業や総合物流サービスなどを手がけている。また、ベトナムでは、SGHグローバルの100%出資子会社の現地法人である SG SAGAWA VIETNAM が設立され、2015年5月から営業を開始する予定だ。

 島﨑氏は、ベトナムにおける国際物流の取り組みとして「輸出型事例」「輸入型事例」「ベトナム国内事例」の3つを紹介した。

 まず、輸出型事例は「バイヤーズコンソリデーション」だ。これは、輸送業者が調達先の貨物を指定の倉庫で集めてコンテナ化し、目的地(バイヤー)へ輸送する物流形態で、バラバラであった物流を集約し、効率化を図るサービスだ。

「ベトナム国内の複数工場から、当社の倉庫に通関を切った状態で貨物を入れ、倉庫でアソート(ピッキングした複数の商品を、納品先の指定通りにまとめて梱包すること)、検品、検針、値付け、タグ付けといった物流加工を行います。これを仕向け地ごとに海上、航空で一貫輸送します。これにより、現在、日本国内で荷物の保管、物流を行う企業様にとって、日本到着後のスピード向上、物流費削減等が期待できます」(島﨑氏)

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ベトナム国内の倉庫で検品、品質確認、パッケージ、商品のタタミ、袋詰め、検針などの物流加工が行われている

【次ページ】 日本における国際物流の事例

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