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2015年06月18日

大和ハウス 加藤恭滋 執行役員インタビュー:フルクラウド化の軌跡 ポイントはSLA契約

6期連続で連結純利益を更新したハウスメーカー大手の大和ハウスグループ。消費増税による反動減が懸念されたが、逆境を跳ね返し、2014年度は第4次中期経営計画を1年前倒しで達成した。その事業領域は戸建住宅のみならず、賃貸住宅、マンション、商業施設、事業施設などのほか、ロボットや農業分野にまで多岐にわたっている。こうした広範な事業をITでどう支えているのか、また情報システム部門に求められている役割とは、どのようなものなのか。大和ハウス工業の執行役員で、情報システム部長をつとめる加藤恭滋氏に、同社のフルクラウド化への取り組みや競争優位につながるIT活用について聞いた。

後編は下記(本記事が前編)
(聞き手は編集部 松尾慎司)

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大和ハウス工業
執行役員 情報システム部長
加藤 恭滋 氏

きめ細やかな“お客さま目線”が大和ハウス工業のDNA

──2014年は消費増税の影響もありましたが、6期連続で連結純利益が過去最高を更新するなど非常に好調です。その強さはどこにあるとお考えですか?

加藤氏:グループ全体で見た時、事業領域が多岐にわたって配置されていることが、我々の非常に大きな強みだと考えています。現在の第4次中期経営計画では賃貸住宅事業、商業施設事業、事業施設事業の3分野に重点的に投資を行い、これらが成長のドライバーとなりました。

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大和ハウスグループの広範にわたる事業領域

(出典:大和ハウス工業)


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“Σ形デバイス”という部材を取り付けた独自のエネルギー吸収型耐力壁「D-NΣQST(ディーネクスト)」によって、震度7クラスの地震に何度も耐えられる「持続型耐震構造」が実現可能という

 会社自体は1955年4月の創業で、元々はプレハブの倉庫を作る建築事業からスタートしました。かつては旧国鉄の資材倉庫なども作らせていただきました。そして戦後の団塊世代が中心になる頃に、釣り好きだった創業者がその帰り道、暗くなっても家に帰らないで遊んでいる子供たちに出会って“まだ帰らないのか”と聞いたところ、“帰っても部屋がないのでもう少し遊んで帰る”という返事が返ってきたことから、子供の数が増え、住宅に空間が不足してきていることに思い至ったのです。いわゆる戦後のベビーブームですね。

 そこで1959年、プレハブ住宅の原点となる「ミゼットハウス」を開発してデパートなどで販売し、3時間で建つ勉強部屋として爆発的なヒットを記録しました。それ以来、我々のビジネスは、ずっと“お客さま目線”です。大和ハウスグループにおける戸建住宅の売上比率は10%台ですが、それでも我々のコア事業は間違いなく住宅事業なのです。

 現在では、商業施設や事業施設などの建築、賃貸住宅やマンションの供給、さらには環境エネルギー事業、海外事業も展開していますが、これらは生活の上で必要となる周辺領域を考えて、ビジネスを多角化しているというスタンスです。住宅事業への取り組みから、お客さま目線の姿勢が、我々のDNAとして確立し、B2B領域においても根付いています。これが当社のもう1つの強みだと考えています。

IT部門の役割は、新しい技術にチャレンジし続けて、競争優位性を担保すること

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──幅広い事業を展開されていますが、その中で求められているITの役割とは、どのようなものでしょうか。

加藤氏:我々のITが第一に果たすべき役割は、やはり縁の下の力持ちだと考えています。現場で働く人たちが本当に使いやすい環境を提供することで、仕事の効率化を支援し、リードタイムの短縮へと結び付けていく。それが最終的には製品やサービスの品質向上へとつながっていくのです。

 一方で、ICTの進化のスピードは、もはやドッグイヤーどころではなくなりました。今までバズワードだと思われていた技術があっという間に商用化されて、使われるようになる。そういうものを現場に適用しようと考えた時、旧態依然の技術を使って作られたシステムのままでは、容易に受け入れることができません。それではダメだということで、改善活動を進めてきています。

──その取り組みの一環が、2008年から進めてこられた自社システムの「フルクラウド化」でしょうか。

加藤氏:それが1つですね。我々のクラウド化への取り組みは、2008年4月にプライベートクラウドで立ち上げたデータ保管用の情報共有サーバが最初で、それから何かリプレイスする時にはクラウドベースで考えようという“クラウドファースト”の姿勢を貫いています。

 2012年4月にはSAPを利用した会計・人事システムもプライベートクラウド上で実現しました。またメールシステムは、2009年8月からSaaSを利用しており、さらに社内ポータルは2009年4月からプライベートクラウドとパブリッククラウドを連携したハイブリッドクラウドで実現しています。

【次ページ】コア事業領域をフルスクラッチ開発する理由

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